ひどい夏バテから脱出する方法:推理小説を読むように考えましょう。

今日お見えになった患者様、明日に大事なお仕事を控え体を整えたいとのご希望でした。
具体的にどうあるのかお聞きすると、「頭がカーッとして動悸がする」とおっしゃいます。

FTで体を診断すると確かに胸や頭に異常サインが出ます。しかし、そのほかに本人の訴え以外、肝臓付近や腹部にも異常サインが出ているのです。

そしてそれらのサインの陰陽分析をすると左の胃部や大腸部は実証であり膵臓部や心臓部からは虚証の反応が出ます。熱中症の走りです。体の水分が不足しています。血液中の水分が不足し、濃くなった血液を心臓が循環させるぶん心臓の負担が増える構図のなっています。そのため、心臓疲労が起きているようです。症状として強い全身疲労や倦怠感が出ます。

また右の肝臓・胆のう部や僧帽筋の上縁部からは実証の反応が検知されました。暑さによるストレスから肝機能の低下による血液循環不足が生じ、血液のうっ滞を生じ、肝虚胆実となっています。肩や背中、腰や太もも、ふくらはぎの筋肉がパンパンに張って、動かすと痛みさえ覚えます。

これらのことは別々に発生したのではありません。暑さという唯一のせいで体のいろんなところにいろんな影響が出ているのです。だから体の様々な症状も突き詰めれば、一本の「気」の巡りを改善してやれば、自己調整が進むはずです。

さあ、東洋医学を専攻する皆さん、どうしますか?
陰陽五行理論と臓腑経絡理論を駆使して、効果的でシンプルは治療法の謎解きです。

[解説] ポイントは右の実証と左の虚証を治療するのです。
右は肝虚胆実で左は脾虚・胃大腸の実なのです。

そうです。結論は右の脾経の瀉法を使います。そうすると左の脾の補法となり、右は脾の相剋により「肝気」の補と「胆気」の瀉となります。

では、実際の治療ではどうなるのでしょう。
効果を高めるため、左の腕の三焦経の脾の帯状反応部に左脾の補鍼を置きます。さらに同じ三焦経の大腸帯と胃帯に瀉鍼を行いました。
右は、肝機能改善に有名な深谷灸法の「足の三点(三陰交・漏谷・地機)」を使います。つまり、右足の脾経を肝機能改善に使う名穴です。肝機能改善に大変に有効ですのですので、皆さんも是非に使ってみてください。
終わりに、先ほど取穴したツボにお灸をします。また、背中のスッキリ感を出すために、督脈のL7より上に2壮のお灸をしました。身柱だけは7〜9壮しました。ここは疲労回復にいいツボなのです。
効果は抜群、頭もスッキリして動悸も無くなりました。さらに体の疲労感が取れて軽くなったそうです。明日の大切なお仕事も順調に行けばいいですね。

さて、一般の皆さん、夏バテ対策のツボ、わかりましたか?
両足のふくらはぎ、内側にあるツボです。
内くるぶしより4〜5センチ上あたりにとても痛いところがあります。それがこの場合の三陰交です。そしてさらに4〜5センチ上にもやはりとても痛いツボがあります。漏谷と言います。またさらに4〜5センチ上に地機があります。やはりとても痛いツボです。

両方のふくらはぎをしっかりと指圧します。
最初の日は、ギュッと抑えるととても痛いです。しっかり指圧します。
次の日は、軽く表面を触れるだけで、痛みます。敏感になっています。
さらに毎日、指圧します。そうするとだんだん痛く無くなってきます。痛いところを探すようになってくると、いよいよ完成です。このころには体調を大変に良くなっていることでしょう。

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