風邪に対する漢方薬の利用法

たんぽぽ鍼灸院には併設の漢方薬店「たんぽぽハウス」があります。
実際のところ、漢方薬の他に健康グッズも置いていますが、
やはり鍼灸院としては、身近に漢方薬を取り扱えることは大変に便利です。

では、本題の風邪に対する漢方薬をご説明いたします。
元来、漢方薬に風邪薬や胃薬、腹薬などのナニナニグスリというのはありません。
症状に対する処方ではなく、その時の体質に対する処方だからです。
例えば風邪に使うお薬で有名な葛根湯は、子供の鼻づまりや大人の肩こり、筋肉痛、手足の痛みや頭痛などにも使います。
ですので、風邪だけの薬ではないのです。
つまり、一種類の漢方薬がその人の体質に一致すれば風邪にも腹痛にも頭痛にも有効なのです。
それで風邪の時に使える漢方薬の種類は軽く20種を越えることになります。
大変ですね。
体質と体調により漢方薬が決まるのです。
でも、決まった時の漢方薬の有効性は素晴らしく、応急処置としては最高です。

そこでご家庭の常備薬として、風邪に使える漢方薬をいくつか揃えておくと大変に便利です。
手っ取り早く風邪のために取り揃えておく漢方薬をご紹介しましょう。

悪寒、寒気が背筋をゾクゾクとする場合、麻黄湯葛根湯がいいでしょう。
この場合、胃が荒れていたり胃腸の調子が悪い時は麻黄湯が合うでしょう。
飲み方は、まづ一包をすぐ飲み、4時間後ぐらいに二包目を飲み、8〜12時間後に三包目を飲めば終わりです。
一包目を飲んだ時、すぐに効いているという感じが実感できれば選択に誤りはなかったのです。
一包目を飲んだ時、症状の軽減を感じなければ、毒にはなりませんが選択違いです。
その間、10分ほど間隔をあけて下さい。
そして別の薬を試してください。

7歳以下のお子さんの場合、一包の五分の一以下が適量になります。
0歳から二歳までのお子さんには、一包を50ccぐらいの熱湯で始め溶かします。
それをそのままかジュースやお砂糖で少し甘くして使います。
分量は、一六分の一ぐらいです。
小さなお子様のアオッパナの鼻づまりでお困りの場合、
葛根湯や麻黄湯を上記の方法で飲ませてやってください。

漢方薬の効果の確認には、一包で十分です。
その人のその症状にあった漢方薬は、一包飲めば効いているという実感があります。
効いているのかどうかわからず、ズルズル飲む必要はありません。

軽い発汗があるのに、顔色悪く悪寒がしたり、微熱がある人で「血液の循環が悪い感じ」のする人には、
桂枝湯がいいでしょう。
めまいや食欲不振を伴う風邪には香蘇散もいいです。

熱が出て頭痛がし、倦怠感による具合の悪さで横になっていたいと思う人。
インフルエンザかもしれません。
荊芥連翹湯銀翹散麻黄湯のどれかを試してみるといいでしょう。
飲み方は、上記の麻黄湯の場合と同じです。

日曜日の夜など、明日の朝までの応急処置には十分です。
荊芥連翹湯はもともと蓄膿や鼻づまりがあった人に向きます。
銀翹散は、熱が出て、頭痛や頭重がひどい人に向きます。
麻黄湯は、熱か出ても発汗のない方で、悪寒があり、肩や首筋の筋肉の強張りがひどい方に向きます。
同時に胃腸があまり良くない人です。

各々十包づつくらいを置いておけば、一回の使用量は三包ですので、ご家庭では緊急の際、充分です。
もしもっと詳しくお聞きになりたい場合、メールを下さい。

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