あるツワリの治療

笑顔も無く、表情も無く、顔色も悪くただ黙って辛そうなお顔を見て三回目でした。お帰りの時、初めて笑顔を見せて下さいました。ただそれだけで、わたしたちの心が救われる思いです。

今日のお母さん、お腹のお子さんは二人目、上のお子さんの時もツワリが酷かったと言って、四日前にお越しになりました。
ただ、わたしの最初の見立てでは、単なるツワリではなく、熱中症と風邪に胃酸過多が重なったことが酷い症状の原因でした。だからツワリを緩和するのに、ほぼ4日間に3回の治療が必要となったのです。

でも、ご本人は単にツワリが酷くて苦しいのだと思っておられたようです。はじめわたしが「どこが、一番つらいですか」と聞くと、胸を押さえて「息ができません」とお応えになりました。また、「少しの水かカルピスしか喉を通らず、ここ何日か食事をしていません。みな吐いてしまいます」とのことでした。他の訴えは2回目、3回目と少しずつ変わりましたが、胸の辛さはずっと続きました。

そして今日の問診時、2回目の後の変化を聴くと、「少し食事が摂れました」との言葉です。何とか気持ち悪いなりに食事を取ったのでしょう。
今日は一通りネッシンとダイオードのツボ療法で、熱中症で痛めた「心」を治療し、残りの風邪症状を取ると、「辛さが取れて、とても軽くなりました」と声を掛けてこられました。それで「一度起き上がってみて、辛さが胸やお腹から消えていたら、今日は終わりましょう」と言うと、腰掛けて、「こんなに気分がいいのは久しぶりです」と笑顔で話されました。

今まで連続だったのを、数日空けて予約を入れるように初めてお願いして、今日の治療を終わりました。今晩は、きっと恐々でしょうが、ご飯を楽しく召し上がることでしょう。でも油や味の濃いものは控えるようにお願いしました。

ツワリの治療はいつもこうです。ただ、いつの時点で若いお母さんの笑顔が見れるのかは分かりません。1日でも早く笑顔を見たいとわたしたちは取り組んでいます。

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