東洋医学小話⑰: 逆子とお産    院長

馴染みのない方には解りづらい話しですが、
逆子とは、赤ちゃんの頭が上、お尻が下にある状態で、
お母さんのお腹にいるのです。
これを、普通場合とは逆、つまり頭が下でお尻が上でない
姿勢なので、逆子といいます。

出産時には、赤ちゃんは頭から出てきますので、
ある程度赤ちゃんが大きなった週数には、
赤ちゃんの頭が下にあることが望ましいのです。

では、赤ちゃんの頭が上にあってはいけないのかと言いますと、
実は、そうでもないのです。

お母さんのお腹が十分に柔らかくあれば、
赤ちゃんは臨月でもクルクル廻ります。

一般に当院へ逆子の治療でお越しになるのは、28週から
32週が多いのですが(たまに34週を過ぎてもお越しになります)
この時分には、赤ちゃんも大きくなり、お腹の中を
動きづらくなるから、産院でも少し困った顔をされます。

この時期、お母さんにストレスが掛かると、お腹が硬くなるのですね。
そうすると、赤ちゃんが自由に動けなくなってしまいます。
そして、たまたま逆子の状態でお母さんのお腹が硬くなれば、
逆子と言うことになるのです。

でも当院の逆子治療は、赤ちゃんを元に戻す治療ではないのです。
ハッキリ言いますと、お母さんのお腹を柔らかくする治療なのです。
お母さんのお腹が充分に柔らかいと、赤ちゃんは臨月まで、
お母さんのお腹を自由に動き回ります。

いつもはほぼ1〜2回の治療で、赤ちゃんは動いてくれるのですが、
つい最近、3週間の間に4回も治療したお母さんがありました。

治療するとお腹は柔らかくなり、赤ちゃんもよく動いて
くれるのですが、なかなか廻りません。
お母さんは、里帰り出産をされるので、
4回目が最後の治療になりました。
さらに、お母さんは逆子の他にもう一つ悩みがありました。
それは、カラダを動かす時、恥骨付近が痛むのです。
私たちは、これが今回の原因だと推測しました。
しっかりと恥骨付近の運動痛を取る事で、治療を終了しました。

数日後、「赤ちゃんが戻っていました」との報告を受けて、
ホッとしたことでした。

でもここで重要なことは、逆子になったお母さんはラッキーと
思っても良いのかも知れません。
たまたま頭が下のまま、お腹が硬くなったお母さんは、
お産の時に少々苦労する場合が多いようです。
その点、逆子が戻ったお母さんのその後は、以外と安産なのですね。
当院で、お腹を柔らかくし、腰痛や腰回りの異常をとるので、
お産が楽になるようです。

安産を迎えるコツはこの辺りにあるように思います。
妊娠後期の安産治療は絶対に必要です。
「やるなら今でしょう」

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