*2つの自尊感情を育む*

卒業シーズンですね。
人生の節目として経験する卒業。お別れでもあり新たな旅たちでもあります。
それぞれの想いが胸に刻まれ、春を迎えることでしょう。

そんななか先日息子の中学校の卒業式で、お世話になった幼稚園の園長先生が来賓でお越しになっておられました。

今の時代は、お母さん方がまずおっしゃられるのは「何時まで預かってくれますか」との声。
「どんな保育をされておられますか」という声はその次だそうです。

なるほど…確かに時代の変化を感じます。
ママたちの疲労やストレスは子育てにも大きな影響を与えるとわかっていても、その余裕がないこともうかがえます。

心理カウンセリングでは「遊戯療法」プレイセラピーというのがあります。問題行動の多いお子さんをもつ親御さんがどうしたら良いかと悩み、ご相談をいただく時に行うものです。
どんなカウンセリングを行うのかというと、決められた時間制限と空間の中で好きなことを好きなようにします。カウンセラーとお子さんの二人がその場を共有するのです。実はこれだけなのですが、カウンセラーはゆっくりじっくりとお子さんと向き合い信頼関係を築いていきます。ひたすら戦いごっこを求める子、じっとお絵かきをする子、何も会話がないこともあります。でもちゃんと意味のある時間と空間をもっています。

実はプレイセラピーを通して、2つの自尊感情を育んでいくのです。

①基本的自尊感情―good enoughどんな環境でも、生き抜く力をもっている。
②社会的自尊感情―very good 人と比べるか喜ばれるかで身につけられるもの。持続しない、環境が変わると瞬く間にダメになってしまうもの。

子育てには両方が必要だといわれています。

家と社会(学校・幼稚園・保育園)という環境。
今の時代は、社会的自尊感情を身に着ける教育が主流なような気がします。私も自分の子育てを振り返ってみると人に喜ばれることを重んじて協調性や適応性を求め過ぎていたようなところもありました。
基本的自尊感情は、乳幼児期からの「愛着形成」がベースです。生まれてから小学校終わるまでに積み重ねて育まれていくもの。

プレイセラピーでは、この基本的自尊感情が不足している子どもたちに愛着形成をやり直すことが目的だともいわれています。

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