早くも風邪のシーズン真っ最中です。どうします?

風邪にまつわることわざは両極端です。

風邪を軽く見るときは・・・「そんなことは、一時期、ちょっと風邪をひいたようなもの」とか、「風邪だから、大丈夫」とか。
一般には数日間ですぐに治ってしまうと考えられるからでしょう。
ちょっと大人しくしていれば、すぐに治るという具合の認識なのです。

一方、「風邪は万病の元」というのもあります。
これは、「風邪ぐらいと甘く思っていると他の病気を読んで大変なことになるぞ」という警鐘ですね。
「風邪を甘くみてはいかん」とか「大事をとって安静にしておくこと」とか言って注意を促します。

風邪はウイルスによりかかると西洋医学的に解明がすすんでいます。
しかし、未だにそのウイルスに有効な薬が発見されていません。
困ったものです。

風邪の種類は一説によると数万種と言われています。
専門家によると、風邪のウイルスの種類は基本的に200もないそうです。
ところが、そのウイルスがすぐに変異してしまうそうなのです。

ですから、一度かかったからと言って、同種の風邪に免疫ができるものではないそうです。
つまり、ある種類:例えば、香港型インフルエンザ、に一度かかっても、またかかることがあるそうです。
現在の予防接種の欠点は、ここにあります。
ある程度予測が当たっていても、変種となったウイルスに有効なお薬はまでできていないのです。
困ったものです。

では、私たちはどうすればいいのでしょう。

ウイルスは空気感染します。
だから、ひとごみの中や教室・会議場など閉鎖空間にいる場合は大変です。
第一に水やお茶などで喉についたバイキンを胃に流し込み(落として)、胃酸でやっつけるのです。
この場合、飲む水分量は、量より回数だそうです。
ちょくちょく口にお茶を含んではゴクリとやるのが良いそうです。

では、喉が痛くなったらどうするか。
その時は、民間療法がベストです。
柑橘系(例えば、キンカン)のシロップが効いたり、甘い水飴や蜂蜜、のど飴が良いようです。
ある患者さん(85才)から効いた話では:小さい頃、子ども達が喉が痛くなると、お母様が、水飴や蜂蜜にモグサを混ぜて子ども達に割り箸で舐めさせたそうです。舐め終わる頃には、喉の痛みが消えていたとおっしゃいました。

寒気がしたらどうします。
私は、近所の中華レストランのネギそばを食べます。
そうです、体を温める食べ物がいいのです。
クズに生姜、黒糖などをお湯に溶かして、フーフーして飲むのも体を温めます。
また、夕食でしたら「鍋料理」は体を温めてくれます。
風邪が入ると体の芯からゾクゾクと冷えを感じます。
危険です。

また、インフルエンザはこんなのを飛び越して、熱が出ます。
私なら、まず漢方薬ですね。
そして耳鼻科へ。

秋の養生

外を歩くと不意に金木犀の香りがし、「ああ、秋だなあ」と感じさせられます。
そして、風邪の患者さんが増えてくると、季節の変化を感じますね。そういう私も風邪ひきで
喉やら呼吸器をやられてしまいました。養生ができていませんね・・・反省です。

東洋医学で秋は「肺と大腸」に大きく影響する時期です。乾燥が強いこの季節は肺・大腸を痛めやすいのです。
西洋医学でいう肺とは少し違うのですが、東洋医学でいう肺は呼吸だけでなく、免疫を司ります。
そして、肺の異常は鼻と皮膚に表れるので鼻水が出たり、皮膚がかゆくなったりします。

大腸の機能は小腸が栄養分を吸収した後の、カスを受け取り余った水分を更に吸収して便に変え排泄させます。
これができなくなると、便秘や下痢になるのです。

この時期は特に肺と大腸をいたわってほしいです。
具体的には、梨、白しめじ、えのき茸、イカ、里芋などの白い食材を主に食べると良いです。
是非お試しください☆
それでもなかなか風邪が治らなかったりした場合はたんぽぽ鍼灸院までご相談くださいね♪

真玉橋 美希

妊娠期のお腹の張り

Aさんの訴えです。
Aさん:妊娠30週で、子宮頸管長が短いと言われた。その直から、お腹が張りやすく、早産の傾向にある。

診断:この夏からの心熱の影響で、疲労倦怠感が続いている。さらに、のど風邪と胃腸風邪をひいいている。そのため、下腹部の冷えがある。

1回目の治療後:確かに夏以来、疲労倦怠感がずっとあったが、妊娠のせいだと思っていた。治療後は体が軽く体がポカポカする。お腹の張りが消えた。

Bさんの訴えです。
Bさん:妊娠6ヶ月の終わり。妊娠初期から血糖が高めで、以前から胃腸が弱く、現在の胃の不快感が続く。お腹が張り、赤ちゃんが下がり気味。

診断:胃腸風邪の影響で消化器系(胃腸や膵臓など)に異常が出ており、下腹部の冷えが顕著。また、心熱があるために体がスッキリしていない。

3回の治療後:検査の結果も上々で、お腹の張りもなく、調子は良い。しかし、調子に乗って食べ過ぎて、胃腸が不調となってしまった。

Cさんの訴えです。
Cさん:逆子。お腹の張りで貧血と張り止めの薬を服用中。

診断:足の冷えがある。胃腸が弱く、右の腎に風邪が入っている。

1回目の治療後、体調が良く、お腹が張らなくなった。2回目の治療後、逆子が戻っていたとのこと。

妊娠期の体の冷えは、お腹の張りの原因となります。また、体の冷えは、風邪であったり、胃腸障害であったりで、治療はその原因を取り除くことで体の冷えを無くします。体の冷えは、特に妊娠期のトラブルの原因です。

健康は、自分で管理するもの

東洋医学はもっぱらですが、一般に医学とは、ヒトの持つ自然治癒力を最大限に利用して健康の維持・増進と病気や怪我からの回復を目指すための知識と技術です。

私は患者さんに、「私たちには、病気や怪我を治すことはできません」と伝えます。
そうすると、皆さん、はじめはちょっと変な顔をなされます。
私は、続けて、「私たちがここで行う施術は、皆さんの自然治癒力や回復力を、「気」の調整を行うことで最大限に引き出すことをします。そうすると、患者さんたちのカラダが自分で治してゆくのです」と申し上げます。
病気や怪我を治すのは、自分自身の治癒力や回復力なのです。

そうなんです、私たちは皆さん方の体を診断するときの一番の関心事は、「気」の流れの異常を感知し、「どうやっって正常に戻そうか」と東洋医学の理論を使って考えるのです。
ということは、私たちは大したことをやっていないということがわかります。
東洋医学そのものがとてもマイナーな医学なので、勉強した人も少なく、一般の方には分かりにくいですね。

私の理想を申し上げれば・・・
ある程度の健康の維持と増進、つまり健康管理、は家庭で行うことがいいのです。
こういうと、現在の医療機関の首を自分で絞めるようなものですが、過去ではそうだったのです。
先人の知恵が生きていて、代々おばーちゃんから娘、孫に伝わったのですね。
ご家庭でのお医者さまは、おばーちゃんか主婦でした。
彼女たちが主人から子供達の健康を管理したのです。
簡単にはお医者さまにはかかってはいなかったのです。

今月(十月)下旬25日、水曜日の午後2時、第2回先人の知恵セミナー(家庭の健康)をたんぽぽ鍼灸院でやろうと思っています。
ご家庭で誰かが家族の健康を管理しなくてなりません。
健康のためのお灸や指圧、アロマや漢方薬の使い方などを勉強します。
便秘や下痢、肩こりに風邪などの簡単な対処法を勉強しましょう。
ご参加希望の方は、たんぽぽ鍼灸へお電話ください。(092−561−8014)
参加費は、500円を予定してます。(お茶とお菓子付き)
お子様づれは歓迎します。
1時間半ほど、楽しくお勉強しましょう。

妊娠中のトラブルとお灸の効果

たんぽぽ鍼灸院に駆け込んで来られる妊婦さんたちのトラブルは、本当にバラィェティに富んでいます。

ツワリや逆子は一般的ですが、お腹の張りと稽留流産の心配や妊娠時糖尿病に妊娠腎は危険なトラブルです。
場合によっては、妊娠をあきらめなくてはなりません。
また、妊娠中に普通でいられない腰痛や恥骨痛、神経痛、風邪、頭痛に腹痛や便秘などにはお薬やシップなどが使えません。赤ちゃんに対する作用が心配だからです。うっかり腰に湿布などは要注意です。

あまりひどいと、病院でお薬を処方さ荒れますが、あまり勧められませんよね。
妊娠前から胃腸が弱い方は、ちょうど臨月前ぐらいに、「二度目のツワリ」のような症状が出ます。これも大変です。
もともと、妊娠中に胃腸が悪くても「ガマンガマン」とあきらめていいる方が多いのですね。

そこで、副作用のない東洋医学、お灸をお勧めします。
当院では、来院時にツボを取りますので、ご自宅では安産を目的に、赤ちゃんのためとご自身のためのお灸を指導します。
意外と無頓着なお母さんの冷えは、安胎にも安産にも大敵です。
お灸で妊娠中のケアを始めてみてはいかがでしょう。

たんぽぽの妊娠時のケアは以下の通りです:
・安産には妊娠初期は安定期に入るまで、週一回。
・安定期には、ほぼ月一回。
・臨月には、週一回。
背術費は便利な割引プランもあります。
ご相談ください。

肩の痛みの原因が胃腸障害である場合

四十肩や五十肩が原因で肩が痛み、夜も寝られないという訴えがこの頃多いのです。
訴える方に性差はありません。男性も女性も多いですね。

一般に四十肩や五十肩は「肩関節周囲炎」といって、関節部に炎症性が起こります。
急性期には肩が腫れて全く可動域がなくなります。ですので痛みで動かすことができません。

ところが、近頃おみえの患者様たちも、ある一定の方向への動きが痛みで制限されます。
しかし、本来の四十肩などに比べ、結構動くのです。
理由は、痛みの出る場所が関節部でないことのようです。
痛みは肩のラインや腕のラインに沿って出て来ます。まるで神経痛のようです。

それで原因を探っていくと、胃腸の障害と関係しているようなのです。
こういった場合、胃腸の障害の程度も結構重篤で、胃腸管内部に潰瘍ができているようです。
治療方針は、肩の筋肉の痛みを軽減するとともに、胃腸の治療も並行することです。
治療の効果は、肩の痛みの軽減ですが、「昨日はぐっすりと眠れました」というお答えが目安になります。

子どもの夜尿症・アレルギー・のど鼻症状に効くツボ療法

今日から9月。
どことなくいつもの月初めとちょっと違う方もおられるでしょうか。
お子様をお持ちの親御さんは、夏休みが終わった安堵感?2学期のスタートですね。
福岡の空は、涼しい風が吹き初秋を感じる気温の一日でした。
また残暑の到来はくるようですが…

8月のたんぽぽ鍼灸院は、小児科が目立った月でした。
夜尿症、アレルギー、夏風邪、咽頭炎…
子供の治療は短時間でシンプルなアプローチです。
東洋医学では、気の流れを促すのですが元々生まれ持った先天の気によるパワーがあるので、ちょっとだけつまづいている気を流れやすいようにツボに軽い刺激をします。
お灸やハリは使用しません。もぐさをくるくると丸めて貼ったり、磁石をシールでペタッと数分つけて症状が改善していくかを確認していきます。
治療法はとても簡単なので、おうちでもできるセルフケアをお伝えすることもあります。
診断は難しいのですが…

またナイーブなお子さんが多いのでママと一緒にベッドの横にいたり、おもちゃや絵本とともにベッドの上でマイペースに過ごしながら治療が可能です。そのせいか、次に来る時の子どもたちの表情が元気いっぱいです。案内する前に、走ってベッドに上ろうとする小さな子どももいます。「たんぽぽに行こう」と行って聞かない3歳の男児ママが困った様子で来院されたこともありました。明るく賑やかな院内の夏でした。

しのはら由香

フワフワとする動揺性のめまいが東洋医学(はり灸)で治る

本日、「めまい」が主訴の患者様がお見えになりました。
いろんなめまいの患者様がおみえになりますが、この方ははり灸で治りにくいとされる「目を開けるとフワフワとする感じがする」という動揺性のめまいです。また、具合の悪さや吐き気をも訴えられ、脳内部の異常が疑われます。

一般に動揺性のめまいは:「フワフワと雲の上を歩いているようなふらつきを起こすめまい」と表されます。また
現代医学的な原因は:発生場所は、脳幹や小脳というところにあり、脳幹は、脳の一番下にある平衡感覚をコントロールするところ、小脳は大脳の後ろにあり、やはり平衡感覚などをコントロールしているところ
とあります。

よくよく患者様を観察すると、督脈上の乱れがあり、また右の目と耳が異常にFTがスティッキーになります。
それで、それを取る経絡を見ると心包経に出ますので、腕の心包帯を調整しました。
しかし、症状が軽くはなるのですが、消えません。それで、背中の右の厥陰兪に皮内鍼をすると・・・
「先生が背中に刺激をした途端、パッと良くなりました」ということでした。

これは、どうも今まで督脈を調整し、心包帯を調整して、全体を整えたから最後の厥陰兪の治療が効いたと思います。それと、脳幹の異常の場合、督脈や華佗穴、膀胱経が有効のようですね。

秋と自律神経

まだ暑いとはいえ、暦の上では少し前からすでに秋になっているんですよね…。

季節の過ごし方が記してある「四気調神大論」によると、
秋は「収斂(しゅうれん)」の季節。
万物が成熟して収穫される。
徐々に空から強い風が吹き、大地には粛清とした気配が漂う。

秋の養生法:鶏と同じように早寝早起きするべきである。
つまり心を安らかにし、陽気をひそめて、天地の粛殺した気の影響を和らげる。
収斂とは「縮む・引き締まる」といった意味があります。
粛殺とは、厳しい秋気が草木を枯らすことを意味します。
気温が下がり、体が寒さにより徐々に引き締まってくる時期なので、急激な体の変化に対応するため気の巡りをゆっくりにしたほうが良いという風なイメージをしています。
この秋の過ごし方に背き、心をおおらかにできないと秋によく活動する肺気が傷むと言われています。

秋は夏の副交感神経優位の季節から、徐々に冬の交感神経優位の季節に切り替わる時期のため、どうしても自律神経自体のバランスを崩しやすくなってしまいます。
血液は神経の働きと大きな関係があり、良好な血流は神経の働きを助けてくれます。血液が行かなくなると神経が麻痺して痛みなどを感じなくなったり、感覚がなくなりますよね。それと血液を含めた意味で大切なのが「基礎体力」です。
ストレスの原因などは急になくすことはできませんが、病気に負けない体づくりは誰にでも、いつからでもできます。ぜひ涼しくなったら軽い運動などをされてみてくだい☆

鍼灸師 宇田千夏

はり灸の効果

電話でのお問い合わせで「○○に、はり灸は効きますか?」とよく聞かれます。
ご質問にお応えする前に、以下の説明をします。

当院では「はり灸治療」という括りではなく「東洋医学治療」として患者さまを診させて頂いております。 患部の局所だけを診ることはせず、まず身体全体の調整をします。この季節ですと熱中症や夏カゼを患っていないかを診断します。自覚症状がなくても診断をして反応があると治療をします。この全身調整の治療でクリアにしないと患部だけを治療しても治らないことが多いからです。
また診断法は「気」の滞りを手技で判断します。見えない世界なので怪しいと思われるかもしれません。当院の鍼灸師は、自身が健全(自己調整)な状態で、その手技に「感覚」をとぎすまして慎重に診断をします。
治療法は、はりやお灸だけでなくツボ療法で磁石やもぐさを貼ることで治療をすることがあります。鍼は希望があれば使用しますが、よっぽどでない限り使用しません。鍼に代わる治療法で可能なことが多いのも理由の一つです。

このようなご説明をしたうえで、「東洋医学や気、見えない世界を信じることが出来る方は治ると思います」とお応えしています。ご自身で一度治療を体験して実感してもらう方が良いですね。また治療中にリラックスして眠られる方は治りが早いのも事実です。西洋医学はデータを重視した患部の局所が得意ですが、東洋医学は「感覚」重視でカラダはひとつという考えです。

たんぽぽ鍼灸院
しのはら由香