フワフワとする動揺性のめまいが東洋医学(はり灸)で治る

本日、「めまい」が主訴の患者様がお見えになりました。
いろんなめまいの患者様がおみえになりますが、この方ははり灸で治りにくいとされる「目を開けるとフワフワとする感じがする」という動揺性のめまいです。また、具合の悪さや吐き気をも訴えられ、脳内部の異常が疑われます。

一般に動揺性のめまいは:「フワフワと雲の上を歩いているようなふらつきを起こすめまい」と表されます。また
現代医学的な原因は:発生場所は、脳幹や小脳というところにあり、脳幹は、脳の一番下にある平衡感覚をコントロールするところ、小脳は大脳の後ろにあり、やはり平衡感覚などをコントロールしているところ
とあります。

よくよく患者様を観察すると、督脈上の乱れがあり、また右の目と耳が異常にFTがスティッキーになります。
それで、それを取る経絡を見ると心包経に出ますので、腕の心包帯を調整しました。
しかし、症状が軽くはなるのですが、消えません。それで、背中の右の厥陰兪に皮内鍼をすると・・・
「先生が背中に刺激をした途端、パッと良くなりました」ということでした。

これは、どうも今まで督脈を調整し、心包帯を調整して、全体を整えたから最後の厥陰兪の治療が効いたと思います。それと、脳幹の異常の場合、督脈や華佗穴、膀胱経が有効のようですね。

秋と自律神経

まだ暑いとはいえ、暦の上では少し前からすでに秋になっているんですよね…。

季節の過ごし方が記してある「四気調神大論」によると、
秋は「収斂(しゅうれん)」の季節。
万物が成熟して収穫される。
徐々に空から強い風が吹き、大地には粛清とした気配が漂う。

秋の養生法:鶏と同じように早寝早起きするべきである。
つまり心を安らかにし、陽気をひそめて、天地の粛殺した気の影響を和らげる。
収斂とは「縮む・引き締まる」といった意味があります。
粛殺とは、厳しい秋気が草木を枯らすことを意味します。
気温が下がり、体が寒さにより徐々に引き締まってくる時期なので、急激な体の変化に対応するため気の巡りをゆっくりにしたほうが良いという風なイメージをしています。
この秋の過ごし方に背き、心をおおらかにできないと秋によく活動する肺気が傷むと言われています。

秋は夏の副交感神経優位の季節から、徐々に冬の交感神経優位の季節に切り替わる時期のため、どうしても自律神経自体のバランスを崩しやすくなってしまいます。
血液は神経の働きと大きな関係があり、良好な血流は神経の働きを助けてくれます。血液が行かなくなると神経が麻痺して痛みなどを感じなくなったり、感覚がなくなりますよね。それと血液を含めた意味で大切なのが「基礎体力」です。
ストレスの原因などは急になくすことはできませんが、病気に負けない体づくりは誰にでも、いつからでもできます。ぜひ涼しくなったら軽い運動などをされてみてくだい☆

鍼灸師 宇田千夏

夏バテと漢方薬

夏バテといってもいろんな症状があります。
でも一般には、食欲が落ちて元気がなくなることを言いますね。
暑さから睡眠の時間や質が落ちることに原因があるようです。

随分と前のことだと、暑いので皆さん滝のような汗をかき、喉が乾き、その分水を飲んで補うんです。
しかし、近頃はエアコンがあって、滝のような汗をかくことがなくなりましたね。
室内にいる限り、温度も適温であり室内も乾燥していますので、肌もさらっとしています。
それで、喉の渇きをさほど感じないのです。

ところが、やはりそれでも私たちは汗をかくのです。
起きているうちに汗をかけば当然に水分を補給するのですが、問題は、睡眠中です。
寝てると睡眠中の発汗に気がつかないものです。
ましてや朝起きた時に汗をたくさんかいたわけでもないので、本人も喉の渇きを感じない。
しかし、軽い脱水は始まっているのです。
そして、この状態が数日続くと、脱水症状が出てきます。
それが強い疲労感や倦怠感、睡眠不足、背中や肩の筋肉痛として感じるのです。

こんな時、漢方薬が重宝します。
「肝の気」の異常があれば柴胡桂枝湯がよく合います。
「胆の気」の異常があれば、小柴胡湯や半夏瀉心湯がいいですね。
「心の気」の異常があれば、半夏厚朴湯は体を軽くしてくれます。
「大腸の気」が乱れていれば、補中益気湯は食欲を増します。
「膀胱の気」が乱れている場合は、六君子湯が合います。

ちょっと専門的ですが、試してみてください。

はり灸の効果

電話でのお問い合わせで「○○に、はり灸は効きますか?」とよく聞かれます。
ご質問にお応えする前に、以下の説明をします。

当院では「はり灸治療」という括りではなく「東洋医学治療」として患者さまを診させて頂いております。 患部の局所だけを診ることはせず、まず身体全体の調整をします。この季節ですと熱中症や夏カゼを患っていないかを診断します。自覚症状がなくても診断をして反応があると治療をします。この全身調整の治療でクリアにしないと患部だけを治療しても治らないことが多いからです。
また診断法は「気」の滞りを手技で判断します。見えない世界なので怪しいと思われるかもしれません。当院の鍼灸師は、自身が健全(自己調整)な状態で、その手技に「感覚」をとぎすまして慎重に診断をします。
治療法は、はりやお灸だけでなくツボ療法で磁石やもぐさを貼ることで治療をすることがあります。鍼は希望があれば使用しますが、よっぽどでない限り使用しません。鍼に代わる治療法で可能なことが多いのも理由の一つです。

このようなご説明をしたうえで、「東洋医学や気、見えない世界を信じることが出来る方は治ると思います」とお応えしています。ご自身で一度治療を体験して実感してもらう方が良いですね。また治療中にリラックスして眠られる方は治りが早いのも事実です。西洋医学はデータを重視した患部の局所が得意ですが、東洋医学は「感覚」重視でカラダはひとつという考えです。

たんぽぽ鍼灸院
しのはら由香

便秘と食物繊維

主訴以外に訴える症状で女性は便秘でもお困りの方が多いように感じます。
先日も便秘でお困りとの話題に。「繊維質のものもとるようにしているんですよごぼうやお芋に食物繊維が多いと聞いたので…」とのことでした。
食事にも気を使っているというのに改善しないのはなぜでしょうか?
実は、食物繊維にふたつの種類(水溶性食物繊維と不溶性食物繊維)があります。
その役割がそれぞれことなる食物繊維ですが、イメージされることが多いのは不溶性食物繊維が大半を占めます。
それぞれの特性を知り、悩みに合わせて使い分けましょう。

◎水溶性食物繊維…
糖質の消化・吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぐ効果、コレステロールなどの余分な脂質を吸着し排出するなど、体への吸収を抑制する作用があります。
食材例)にんにく、納豆、なめこ、春菊、にんじん、とうがらし、切り干し大根、らっきょう、生のこんにゃく芋など

◎不溶性食物繊維…
水に溶けない食物繊維で、胃や腸で水分を吸収し大きく膨らみ、便のかさ増しや、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促進します。体にとって有毒な物質を排泄するデトックス効果もあります。
食材例)おから、枝豆、さつまいも、板こんにゃく、ごぼう、きのこ類など

どの栄養にも言えることなのですが、しっかりふたつの食物繊維をバランスよく食べることが重要なのです。

色々ご指導させていただいて、結果を聞くのが楽しみです。
もし便秘でお悩みなら実際に試しながら食物繊維を摂られてはいかがでしょうか?

宇田 千夏

筋肉や関節を解すお灸の効果

朝の起きがけに体が硬く、前屈をすると身体中に痛みが出る方いませんか?
ズボンや靴下を履く時、足や腰が痛くて足先にとどかず、履くのに苦労をする方いませんか?
長時間の運転の後、背中が痛くて背筋が伸びない方いませんか?

実はある部分が硬くなってこの状態を引き起こしているのです。
運動不足などが原因で起こるのですが、だからと言って急に運動しても治りません。
ある部分の血行障害を簡単なお灸で刺激してあげると驚くように治ります。
そうすると運動で維持できるようになります。

今では簡単な”せんねんきゅう”という家庭用のお灸が普及していますが、残念ながらこれではうまくいきません。
従来通りの”ヒネリ”のお灸で、なおかつ本当に軽い”八分灸”がいいのです。
軽く心地良い熱さが、硬く血行の悪い関節部に響きます。

どこにお灸をするかは・・・秘密です。
一度、体験してみてください。

頑張れない時の対処法

毎日暑いですね。8月に入ったばかり、先が思いやられるような気温に夏バテ気味です。
そんな毎日でも頑張らないといけないことはあります。
仕事、勉強、家事、育児…
毎日お疲れ様です。

なかには、頑張れなくて悩んでいる人もいるようです。先日、大塚綾子さんのブログを閲覧していて共感した記事がありました。

どうやら頑張れないパターンの人、次のような堂々めぐりがおこるようです。

がんばらなきゃいけないのは、わかってる。がんばろうと思う。でも、がんばれない。やる気になれない。つい逃げてしまう。「逃げちゃいけない」と思いつつ、でもやっぱり逃げてしまう。がんばれなくて、逃げてる自分がイヤだ。「こんな自分からは変わらなきゃいけない!」と思う。でもどう変わったらいいかわからない。変わらなきゃと思うと、なんだかますますシンドくなる。やっぱり、がんばれない。→最初に戻る→

とりあえず、その「いけない!」言うのをちょっとやめて、あらためて考えてみましょう。

■やりたいことではないから
「がんばれない」ことというより「やりたくない。でもやらなくちゃいけない。」ということだったりしませんか。
人間、やりたいことじゃないと、やる気はしないものです。あたりまえ。
だから、やる気がしないんだったら、それは本当はやりたいことじゃない。
ということではないでしょうか。「自分のやりたいことじゃない」ということを自覚せずに
「やらなきゃ、がんばらなきゃ」と思っているから辛いループにはまるかもです。
まず、やりたいことではないと認めることも大切なことです。

■誰かの期待に応えないといけないから
無意識のことが多いかもしれません。自分以外の誰かの期待や願望を叶えてあげなければならないとどこかで思っているからかもしれません。人から「嫌われたくない、好かれたい、愛されたい、見放されたくない」といった思いや、その人の意に添わなかったら、もう自分が生きていけなくなるような、そんな恐れを、深いところに抱いているからかもしれません。どんな形であれ「怖さ」を避けるためにがんばっているのだとしたらそれは辛くて、がんばれるものではありません。がんばれないのは当然です。自分の欲求と、自分以外の欲求とを混同せずそこに境界をひいて、自分の欲求を自覚すること、自分の軸に重心を取り戻すこと。そして、その「怖さ」とは何なのか。それは真実なのか。それに向き合うことが、ここから抜け出るカギかもしれません。

■がんばるより前に、必要なこと
「がんばれない。やる気がでない。やりたいことがない。」
このような場合、私がもう一つ思うのは
・過去、とっても傷ついてきた
・過去、とっても怒っている
・過去、とっても悲しかった
・しかも、それをとってもガマンしてきた
そんな方達のことです。
いろんな事情で、過去にそんな思いをしなければならなかった方もたくさんいます。
それはもう、小さい子どものころから、大人になった今まで。
そして、傷ついた、怒った、悲しい、なんてことを言えなかった。言うわけにはいかなかった。
だから、じっと一人でガマンしてきた。そういう感情って、心の深くにずーっと積もっているものなんです。ガマンという蓋(フタ)の下に、過去の痛い感情の層がずっと積もって、たまっています。でも、心にフタをしているから、普段あまり感じません。そのまま感じたら辛すぎるからです。心にフタをしていると、痛い感情も感じなくてすみますが、エネルギーも湧いてきません。「やりたいこと」のエネルギーというのは、この痛い感情の層のさらに奥に眠っているからです。この痛い感情の層がズッシリ積もっていて、なおかつそれにフタをしていると、当然ですが「やりたいこと」のエネルギーは出てくるスキマがありません。だから、意識の上では
「やりたいこと?・・・ないです。」としか感じられないのです。やりたいエネルギーがわいてこないから、がんばる気力もわきません。がんばれなくて、当然ですね。それどころじゃないんです。こういう方はがんばるとかなんとか言う前に、必要なことがあります。
ガマンのフタをはずし、フタをしてしまった諸々をちゃんと見てあげて、ちゃんと泣いて、怒って、わかってあげることです。それが感情の解放、癒し、と呼ばれるプロセスです。
これにはセラピストという専門家のサポートが必要かもしれません。

■「がんばる、がんばらない」いろいろあっていい
がんばった人には「よくがんばったね」
がんばりすぎた人には「もうがんばらなくていいよ」
辛くてがんばれない人には「今はがんばらなくていいよ」
がんばってみたい人には「がんばってみようよ!」
がんばるのが楽しい人には「がんばって!」
いろんな「がんばる」があっていいんじゃないかと思います。
そして、なによりもがんばることだけが善じゃない、ということです。
がんばったっていいけど、がんばらなくたっていい。どっちだっていい。
どっちにしろ大丈夫なんだから。

↑大塚彩子さんのブログより

皆さんは、いかがでしょうか。
頑張ることにいろいろあっていいというのはうれしいと思いませんか。
こういう癒しの言葉を言えたり、受け入れられるといいですよね。

頑張るより前に必要なことについて気になった方は、ご相談ください。

心理カウンセラー しのはら由香