「先人の知恵」は現在、いろんなところで活躍しています。
民間医療から調理法、服の素材や着方、家の建て方などわたくしたちの衣食住にまつわるところには、ゴマンとあります。
ところで、だれが伝えてくれたのでしょう。
わたしのつたない記憶をたどれば、それはおバーちゃんたちです。
一家にひとりはおバーちゃんがいて、家族の衣食住の世話をしてくれていました。
いまと違って、昔は大家族でしたから、普通に三世代同居や四世代同居がありました。
家にはいつもおバーちゃんがいて、現役世代が家計を支えて働きます。
農家であれ、商家であれ、勤め人であれ、現役世代はいつも忙しく働きます。
子供達は学校や働きに出て、家にはおバーちゃん(たまにはおジーちゃんも)が留守番をしています。
野良仕事や商売が忙しい時はおバーちゃんの出番ですが、いつもは銃後の守り(もうだれも意味を知らないでしょうね)です。
だから、おバーちゃんが食事のメニューや下ごしらえをやります。
家族に病人や調子の悪いものが出ると、やはりおバーちゃんの出番です。
その辺の薬草を取りに行ったり、手当てをしたりと忙しいのです。
おバーちゃんは知恵をやはり上のおバーちゃんから教わりました。
そしてその上のおバーちゃんはそのまた上のおバーちゃんから伝わったのです。
その知識はいつだれが伝えたのでしょう。
それは謎のままです。単に推測するしかありません。
四、五十年前からかもしれませんし、数百年前からかもしれません。
数千年前であってもおかしくありません。
発見した人と、それを人体実験して効果の有無を確認した人。
長い間の人体実験の結果、有効だから伝わっているのです。
おバーちゃんが無益なものや有害なものをわたしたちに伝えるでしょうか。
いま、わたしたちは「先人の知恵」の掘り起こしを行なっています。
知恵の伝承が途切れる前になんとか残したいと思っているのです。
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