つわりが治ったお話

「二人目を妊娠して、つわりがひどい」とお越しになったSさん、
「立つと吐き気がひどく、いちにち水を飲むのが難しく、飲みものは一種類のジュースかスープのみで、固形食は1日にひとにぎり」だそうです。

「ひとり目の時はさほどつわりもひどくなかったのに、今回は辛くて辛くてまだ七周目で、先が思いやられます」とおっしゃいます。
早速治療を始めました。

ふつかあけて2回目の治療の時、少し食事が取れるようになったとのことですが、貧血があるとのことでした。
奇経治療を使いました。

よっかあけた3回目の治療の時、「前回の治療後、調子がよく、昨日の朝まで普通に食事が取れた」とのこと。
その後、胃のむかつきが出て、気持ちが悪かったそうです。
ウーム、残念。
3回目の治療をしました。
卵を食べたからかなとか白身魚のせいかなとか反省してありましたが、確かに消化の悪いものやスパイスの効いたもの、油濃いものはよくないようですね。

1日あけて4回目の治療の時、「わたしのつわり、治りますか??? いつまで続くのでしょう」とかなり落ち込み気味でしたが、治療後、とても顔色も良く元気に帰って行かれました。

そして、それから四日後、電話をもらいました。
「前回の治療後、全くつわりが出ていません。治ったようです」との報告でした。
治療を始めてちょうど2週間(14日目)のことでした。
振り返ると、治療ごとに改善していって、今回の方のつわりが消えるまで十日かかったことになります。

わたしの治療方針は、つわりがあっても不自由なく普段の生活ができる程度まで症状を改善させることです。
今回は、本人いわく、全く消えたとのことですが、確かにこのような方のケースが多いのです。
しかし、治療に入る前、皆さんに伝える治療目標は、「普段の生活が支障なく行える状態」です。
つわりは辛いし、本人と同じくらいに連れ添われているご主人も辛いのです。
そんな時、ぜひ、東洋医学を試してみてください。

先人の知恵ってなーに?

「先人の知恵」は現在、いろんなところで活躍しています。
民間医療から調理法、服の素材や着方、家の建て方などわたくしたちの衣食住にまつわるところには、ゴマンとあります。

ところで、だれが伝えてくれたのでしょう。
わたしのつたない記憶をたどれば、それはおバーちゃんたちです。
一家にひとりはおバーちゃんがいて、家族の衣食住の世話をしてくれていました。
いまと違って、昔は大家族でしたから、普通に三世代同居や四世代同居がありました。
家にはいつもおバーちゃんがいて、現役世代が家計を支えて働きます。
農家であれ、商家であれ、勤め人であれ、現役世代はいつも忙しく働きます。
子供達は学校や働きに出て、家にはおバーちゃん(たまにはおジーちゃんも)が留守番をしています。
野良仕事や商売が忙しい時はおバーちゃんの出番ですが、いつもは銃後の守り(もうだれも意味を知らないでしょうね)です。
だから、おバーちゃんが食事のメニューや下ごしらえをやります。
家族に病人や調子の悪いものが出ると、やはりおバーちゃんの出番です。
その辺の薬草を取りに行ったり、手当てをしたりと忙しいのです。

おバーちゃんは知恵をやはり上のおバーちゃんから教わりました。
そしてその上のおバーちゃんはそのまた上のおバーちゃんから伝わったのです。

その知識はいつだれが伝えたのでしょう。
それは謎のままです。単に推測するしかありません。
四、五十年前からかもしれませんし、数百年前からかもしれません。
数千年前であってもおかしくありません。
発見した人と、それを人体実験して効果の有無を確認した人。
長い間の人体実験の結果、有効だから伝わっているのです。

おバーちゃんが無益なものや有害なものをわたしたちに伝えるでしょうか。
いま、わたしたちは「先人の知恵」の掘り起こしを行なっています。
知恵の伝承が途切れる前になんとか残したいと思っているのです。

早くも風邪のシーズン真っ最中です。どうします?

風邪にまつわることわざは両極端です。

風邪を軽く見るときは・・・「そんなことは、一時期、ちょっと風邪をひいたようなもの」とか、「風邪だから、大丈夫」とか。
一般には数日間ですぐに治ってしまうと考えられるからでしょう。
ちょっと大人しくしていれば、すぐに治るという具合の認識なのです。

一方、「風邪は万病の元」というのもあります。
これは、「風邪ぐらいと甘く思っていると他の病気を読んで大変なことになるぞ」という警鐘ですね。
「風邪を甘くみてはいかん」とか「大事をとって安静にしておくこと」とか言って注意を促します。

風邪はウイルスによりかかると西洋医学的に解明がすすんでいます。
しかし、未だにそのウイルスに有効な薬が発見されていません。
困ったものです。

風邪の種類は一説によると数万種と言われています。
専門家によると、風邪のウイルスの種類は基本的に200もないそうです。
ところが、そのウイルスがすぐに変異してしまうそうなのです。

ですから、一度かかったからと言って、同種の風邪に免疫ができるものではないそうです。
つまり、ある種類:例えば、香港型インフルエンザ、に一度かかっても、またかかることがあるそうです。
現在の予防接種の欠点は、ここにあります。
ある程度予測が当たっていても、変種となったウイルスに有効なお薬はまでできていないのです。
困ったものです。

では、私たちはどうすればいいのでしょう。

ウイルスは空気感染します。
だから、ひとごみの中や教室・会議場など閉鎖空間にいる場合は大変です。
第一に水やお茶などで喉についたバイキンを胃に流し込み(落として)、胃酸でやっつけるのです。
この場合、飲む水分量は、量より回数だそうです。
ちょくちょく口にお茶を含んではゴクリとやるのが良いそうです。

では、喉が痛くなったらどうするか。
その時は、民間療法がベストです。
柑橘系(例えば、キンカン)のシロップが効いたり、甘い水飴や蜂蜜、のど飴が良いようです。
ある患者さん(85才)から効いた話では:小さい頃、子ども達が喉が痛くなると、お母様が、水飴や蜂蜜にモグサを混ぜて子ども達に割り箸で舐めさせたそうです。舐め終わる頃には、喉の痛みが消えていたとおっしゃいました。

寒気がしたらどうします。
私は、近所の中華レストランのネギそばを食べます。
そうです、体を温める食べ物がいいのです。
クズに生姜、黒糖などをお湯に溶かして、フーフーして飲むのも体を温めます。
また、夕食でしたら「鍋料理」は体を温めてくれます。
風邪が入ると体の芯からゾクゾクと冷えを感じます。
危険です。

また、インフルエンザはこんなのを飛び越して、熱が出ます。
私なら、まず漢方薬ですね。
そして耳鼻科へ。

秋の養生

外を歩くと不意に金木犀の香りがし、「ああ、秋だなあ」と感じさせられます。
そして、風邪の患者さんが増えてくると、季節の変化を感じますね。そういう私も風邪ひきで
喉やら呼吸器をやられてしまいました。養生ができていませんね・・・反省です。

東洋医学で秋は「肺と大腸」に大きく影響する時期です。乾燥が強いこの季節は肺・大腸を痛めやすいのです。
西洋医学でいう肺とは少し違うのですが、東洋医学でいう肺は呼吸だけでなく、免疫を司ります。
そして、肺の異常は鼻と皮膚に表れるので鼻水が出たり、皮膚がかゆくなったりします。

大腸の機能は小腸が栄養分を吸収した後の、カスを受け取り余った水分を更に吸収して便に変え排泄させます。
これができなくなると、便秘や下痢になるのです。

この時期は特に肺と大腸をいたわってほしいです。
具体的には、梨、白しめじ、えのき茸、イカ、里芋などの白い食材を主に食べると良いです。
是非お試しください☆
それでもなかなか風邪が治らなかったりした場合はたんぽぽ鍼灸院までご相談くださいね♪

真玉橋 美希

妊娠期のお腹の張り

Aさんの訴えです。
Aさん:妊娠30週で、子宮頸管長が短いと言われた。その直から、お腹が張りやすく、早産の傾向にある。

診断:この夏からの心熱の影響で、疲労倦怠感が続いている。さらに、のど風邪と胃腸風邪をひいいている。そのため、下腹部の冷えがある。

1回目の治療後:確かに夏以来、疲労倦怠感がずっとあったが、妊娠のせいだと思っていた。治療後は体が軽く体がポカポカする。お腹の張りが消えた。

Bさんの訴えです。
Bさん:妊娠6ヶ月の終わり。妊娠初期から血糖が高めで、以前から胃腸が弱く、現在の胃の不快感が続く。お腹が張り、赤ちゃんが下がり気味。

診断:胃腸風邪の影響で消化器系(胃腸や膵臓など)に異常が出ており、下腹部の冷えが顕著。また、心熱があるために体がスッキリしていない。

3回の治療後:検査の結果も上々で、お腹の張りもなく、調子は良い。しかし、調子に乗って食べ過ぎて、胃腸が不調となってしまった。

Cさんの訴えです。
Cさん:逆子。お腹の張りで貧血と張り止めの薬を服用中。

診断:足の冷えがある。胃腸が弱く、右の腎に風邪が入っている。

1回目の治療後、体調が良く、お腹が張らなくなった。2回目の治療後、逆子が戻っていたとのこと。

妊娠期の体の冷えは、お腹の張りの原因となります。また、体の冷えは、風邪であったり、胃腸障害であったりで、治療はその原因を取り除くことで体の冷えを無くします。体の冷えは、特に妊娠期のトラブルの原因です。

健康は、自分で管理するもの

東洋医学はもっぱらですが、一般に医学とは、ヒトの持つ自然治癒力を最大限に利用して健康の維持・増進と病気や怪我からの回復を目指すための知識と技術です。

私は患者さんに、「私たちには、病気や怪我を治すことはできません」と伝えます。
そうすると、皆さん、はじめはちょっと変な顔をなされます。
私は、続けて、「私たちがここで行う施術は、皆さんの自然治癒力や回復力を、「気」の調整を行うことで最大限に引き出すことをします。そうすると、患者さんたちのカラダが自分で治してゆくのです」と申し上げます。
病気や怪我を治すのは、自分自身の治癒力や回復力なのです。

そうなんです、私たちは皆さん方の体を診断するときの一番の関心事は、「気」の流れの異常を感知し、「どうやっって正常に戻そうか」と東洋医学の理論を使って考えるのです。
ということは、私たちは大したことをやっていないということがわかります。
東洋医学そのものがとてもマイナーな医学なので、勉強した人も少なく、一般の方には分かりにくいですね。

私の理想を申し上げれば・・・
ある程度の健康の維持と増進、つまり健康管理、は家庭で行うことがいいのです。
こういうと、現在の医療機関の首を自分で絞めるようなものですが、過去ではそうだったのです。
先人の知恵が生きていて、代々おばーちゃんから娘、孫に伝わったのですね。
ご家庭でのお医者さまは、おばーちゃんか主婦でした。
彼女たちが主人から子供達の健康を管理したのです。
簡単にはお医者さまにはかかってはいなかったのです。

今月(十月)下旬25日、水曜日の午後2時、第2回先人の知恵セミナー(家庭の健康)をたんぽぽ鍼灸院でやろうと思っています。
ご家庭で誰かが家族の健康を管理しなくてなりません。
健康のためのお灸や指圧、アロマや漢方薬の使い方などを勉強します。
便秘や下痢、肩こりに風邪などの簡単な対処法を勉強しましょう。
ご参加希望の方は、たんぽぽ鍼灸へお電話ください。(092−561−8014)
参加費は、500円を予定してます。(お茶とお菓子付き)
お子様づれは歓迎します。
1時間半ほど、楽しくお勉強しましょう。