東洋医学小話⑩: お灸     院長

奈良時代のお話し
聖武天皇のお妃、光明皇后(701−760)は一般庶民の為に、施薬院(病院)を
お造りになりました。施薬院は聖徳太子が初めてお造りになったそうですが、
光明皇后のが有名ですので、ここでは光明皇后の施薬院のことにしましょう。
古代において先端医療(中国直伝の医学)は、朝廷をはじめ上層階級の医学でした。
当時からハリ、お灸、お薬、気功、按摩などもありましたが、庶民には、高価な
お薬は無理ですので、一般にはお灸が使われたようです。
どのようなお灸だったのでしょうかね、

さて時代が変わり、ずーっと下って江戸時代、各地の大名はお薬の原料となる
薬草を育てる敷地を持っていました。その大名家によって呼び名は違いますが、
お薬園とか薬草園とか言っていました。福岡には普通の薬草畑があった「薬院」と
高価な朝鮮人参を育てる「人参園」があったようです。
でも、お灸はその後も寺社仏閣で民間療法として延々と続きました。
これは施薬院の伝統が、お寺や神社に受け継がれて行ったものでしょう。

現在でも、各地のお寺や神社で、神事や仏事と一緒にお灸を行なう行事が
残っています。とても面白い事です。

心理のお部屋(由香) ~お茶の時間~

皆さんは、ゆっくりとした時間をとっていますか。
「分かるけど…時間がない…」という声が多いかもしれませんね。
私もその一人でした。

カウンセラー仲間でフィジーに1週間ホームスティした友人のお話です。

「一番の収穫は・・・一日一回、ゆっくりお茶を頂くことの効果…」だったそうです。お茶の時間よ~とご飯の時間みたいな感覚で、テラスに家族そろってお茶を飲みながらお庭や自然の光景を感じながら会話をする時間があるそうです。
友人は、何とも言えない贅沢な幸福感を感じたといっていました。

うん、確かに。

私たちの生活スタイルには、必要なことかもしれません…文化や国や環境は違っていても、この習慣はマストかもしれません。

追われているように急いでいたり、アタマを使っていたり…の毎日をおくっている方は少なくありません。

愛読書の1つにターシャ・チューダー著の「思うとおりに歩めばいいのよ」があります。

アメリカで一人暮らしをしながら、趣味のお花畑と画家のお仕事をしていたおばあちゃんの写真集とエッセイの本です。

124ページに記載してある言葉をご紹介します。

        ***

午後のお茶の時間は我が家の伝統で、一年中、欠かしたことがありません。
どんなに忙しくても、四時半になったらお茶にします。
とくに忙しい時など、これが、リラックスにとてもいいの。
だから、急いではだめ。
ゆったりした気持ちで、会話を楽しみます。

        ***

こういう法律が日本にできたら、どんなにみんなが元気になるだろう。消費税をあげることと同じ位の価値があるかもしれないと思います。心身ともに大切なものを日課として取り入れると、生活の豊かさにつながり、経済効果も上がる…と私は思います。

皆さんはどう思いますか。

お茶の時間。取り入れてみませんか。

東洋医学小話⑪: ハリ灸の保険適用     院長

数年前、小泉総理が国会で、ある民主党の議員の代表質問に答える形での発言です。

民主党議員: ハリ灸は有効であると思われるのに、何故保険の適用がない
       のでしょうか? おかしいと総理は思われませんか?
小泉総理:  わたしもハリ灸のお世話になっています。ハリ灸は有効です。
       確かに保険の適用がないのはおかしいと思います。前向きに
       検討したいと思います。
保険局長:  ハリ灸は慰安と治療の境目が難しいので、保険の適用はどうか
       と思います。

その直後、総理は引退し、結果として保険適用を勧めたくなかった保険局長は
事をウヤムヤにしたまま、何も起きませんでした。

ここで、ビックリする事は、保険局長の答弁の中で「ハリ灸は慰安と治療の
区別が難しい」と述べています。これは、按摩マッサージとハリ灸とを
取り違えた、本当に基本的な答弁ミスで、局長は始めから保険を認める気が
なかったのですね。これが、日本の医療行政の考え方です。

マッサージや按摩を慰安と考える事ができても、ハリ灸治療を慰安で受ける人
はいません。ハリ灸と按摩マッサージの区別も判らない局長の認識の低さでした。

心理のお部屋(由香)~交流分析「おとな」の状態~

世の中にはたくさんの心理療法があります。
そのなかの1つに「交流分析」という考え方があります。
こころの状態を理論的に分析しています。
人のこころは「親・おとな・こども」という3つの構造でできています。私たちは常にどれかの状態に居て、無意識に瞬時にスイッチしていることもあります。

今日は、そのなかの「おとな(Aアダルト)」の部分について少しお話します。

人はアダルトに居る時、ものごとを冷静に客観的に考えたり、行動します。
たとえば、何かに集中している時もそうです。
まるでコンピュータのように、一切の邪念が入りません。
また人との交流では「今、何時ですか?」と聞かれて、時計を確認し「●時●分です」と答えている時もアダルトの状態にいます。あるいは誰かに「おはよう」と挨拶され「おはよう」と応えること。これもアダルト同志の交流で、「今日はいい天気ですね…」などその後も会話のキャッチボールへつながりやすいわけです(相補的交流)。

ところが「今何時ですか?」と聞かれた時、時間を応えながらも「自分で確認すればいいのに…」と批判的・否定的に思ったり、「急いでいるのに…」といやな気持ちやになったりしていると「アダルト」ではなく「親かこども」の状態にスイッチします。その後の言葉のキャッチボールは少しこじれてしまったり、会話を中断することにもなります(交差的交流)。

アダルトは、年齢問わず一生、発達・成長する部分だといわれています。勉強している時、仕事をしている時は、この部分にいると、とくに効果的です。言い換えれば、お勉強ができる人、よく仕事ができる人は、アダルトの発達は顕著です。

*集中できない自分を止めたい…
*いつも気持ちが優先してしまうので能力が劣っているのがイヤ…
*自分や人に対して批判的・支配的・義務的なのをやめたい…
とお悩みの方。

こころの状態が「親」や「子ども」の部分にいることが多いかもしれません。
「おとな(アダルト)」を意識して、生活に取り入れる習慣を身につけると何か変化がおきてくるかもしれません。生涯、発達する部分ですから可能です。

次回は、「親」をお話ししますね。
興味のある方は、来週金曜日に覗いてみてください。

心理のお部屋(由香)~交流分析・親~

学生さんは明日から夏休みですね~。羨ましい(^_^;)私は大学の試験が控えていますので、夏休みは8月に入ってからちょっぴり解放感です。

さて。前回に引き続き、今回は交流分析の「親」についてお話します。

人のこころは「親・おとな・こども」という3つの構造でできています。私たちは常にどれかの状態に居て、無意識に瞬時にスイッチしていることもあります。

人は「親」に居る時、文字通り、親や親的役割の人から取り入れた、考え方や行動の部分にいます。
両親・祖父母・兄弟・先生・宗教・本などから取り入れ、その人の倫理観や価値観となる部分です。
実は、自我の機能からいうと「親」は「厳しい親」と「優しい親」の2つの部分に分かれています。

●厳しい親
批判的、否定的、義務的
~しなければならない、~すべき。~でなければならない。~であるべき。人のミスをとがめる…

●優しい親
受容的・養育的・思いやり・寛容な態度
~していいよ。大丈夫?ゆくりでいいよ。よく出来たね…

皆さんは、ご自分に対して、どちらの「親」タイプに居ることが多いでしょうか?
ひょっとしたら、自分には厳しい親が多いけれど、人には優しい親の方をたくさん使っているなぁという方もおられるかもしれません。もちろん、その逆もあるでしょう。

できるだけ「優しい親」の自我状態を使って生活している方が、自分も楽だし、人との交流も効果的で、心地よさそうですよね。

意外とわかっていないのが自分自身のことです。たまには、じっくりご自分のなかを見つめる、自分自身と向き合うことは、いろんな気づきへとつながります。
気づきは、問題解決にとても重要だといわれています。

次回は、「子ども」をお話ししますね。
興味のある方は、来週金曜日に覗いてみてください

東洋医学小話⑫: 夏カゼ

カゼは冬に引くものでしたが、
近頃では夏もカゼのシーズンになりました。
私の感ですが、エアコンの普及とも関係があるではと思っています。

そして、その夏カゼにもいろんな種類があります。
呼び名もプール熱などまたいろいろですが、
原因がウイルス性であることで、やはりカゼでしょうね。

西洋医学の講義を聞いた時、
ウイルスに直接有効な薬は無いということでした。
ある意味で、抵抗力や自然治癒力が頼みだそうです。

ところがその点、東洋医学はいい加減なもので、
新手の鳥インフルエンザやサーズなんかも対応ができるのですね。
事実、数年前の中国での鳥インフルエンザの時は、
WHOでいろんな研究をしたのですが、なんと漢方薬が
一番効果があったそうです。

夏カゼには、東洋医学はどうですか。