東洋医学小話⑭: 怪我や病気が治るメカニズム
私の好きな表現なのですが、東洋医学を説明するとき、
「ハリ灸などの東洋医学は、病気や怪我を治しません」と言います。
私の言葉を聞いている人は、一瞬、不思議そうな顔をします。
ハリ灸院に来て、先生に「ハリ灸では治らない」と言われても・・・
でも、これは、われながら今の医学を的確に言い当てた迷言でしょう。
私たちのカラダには、神様が用意した「健康プログラム」が、
組み込まれています。 病気や怪我でカラダのバランスが崩れた時に、
この健康プログラムが自動的に働いて、健康になろうとします。
ところが、あまりにバランスの崩れかたが酷い時、プログラムの
スイッチが入らないのです。スイッチが入らないとプログラムが
走りませんので、健康に戻ることができないということになります。
健康に戻るプログラムが作動しない時、障害を取り除き、
無事にプログラムが走るようにするのが、医学の存在理由です。
東洋医学などはその最たるもので、カラダを流れる気を操り、
プラグラムが無事働くようにハリやお灸、漢方薬を用いるのです。
一般の人は、時には医療の専門家でさえ、医学が病気や怪我を治す
と思っています。でも、今の医学はそのようなものではありません。
手術で腫瘍を切り取っても、その傷口がふさがれて行くメカニズムは、
未だに科学では再現できないのです。 自然治癒力や回復力無しには、
医学は語られません。
そして極めつけは、成長ホルモンの自然治癒に関わる役割です。
成長ホルモンは、若い頃には、身長や体重の増加に関わるのですが、
二十歳を過ぎると、成長ホルモは、病気や怪我の治癒に使われます。
逆に言うと、成長ホルモン無しには、病気や怪我からの回復が、
見込めない事になります。
若い頃には始終出ていた成長ホルモンは、大人になると、限られた
時間にしか出なくなります。その、重要なタイミングが、質の良い
睡眠の始まりの時間です。 だから、睡眠を削っては、病気や怪我は
治りません。
病気や怪我からの復帰には、充分な睡眠と食事が必要になのです。
治癒力に王道はありません。 地道になすべき事をすることですね。