原因をしっかりと特定しなくては軽減しない腰痛・肩こり

8月ぐらいからご紹介でお越しになる患者様、単なる筋骨格系の痛みなどのトラブルなのに、なかなか治りが悪いらしいのです。ではどのくらい痛みが取れないかと聞いたところ、1年前からとか2月の事故よりとか4月の初めからとか随分と長いのです。
では、そんなに難しい障害なのかといえば、たんぽぽ鍼灸院では普通の疾患なのです。当然に長く患っていらっしゃったのですからその間色々な医療機関に通われています。整形外科から整骨院、整体など色々通院されていたようです。

では、なぜ治りが悪かったのでしょうか?
西洋医学と東洋医学の大きな違いは、「気」の関与であり、その体系としての陰陽五行と臓腑経絡の基本理論です。
そうすると現象として何が違うかと言いますと、患部でないところの取り扱いになります。
西洋医学では痛みのある患部の治療が全てですが、東洋医学では患部に関連する臓腑や経絡上の反応部位にも何らかの措置をすることになります。
初めは患者様も私たちが患部と関係のないところを触っていると、心配して「先生、そっちではなく痛いのはここですよ」と教えてくれます。
私たちも解っているので、「はい、承知していますよ」と返事をしますが相変わらず痛みのないところを調べているのです。
痛みがなかなか取れない理由としては、我々で言うところの「本治法」を行っていないからではないでしょうか。

本治法とは、現在の健康状態で不健康を作り出す根本原因(経絡)を整えることです。
例えば、つい最近お越しになった高齢の女性の腰痛で、背中のツボである肝兪に皮内鍼を付けるだけで、あっちこち痛かった腰が急に軽くなりました。
この場合、なかなか腰痛が治らない原因に肝の気の異常があったのです。「痛みが消えて、治ったようです」と喜ばれました。
ああでもないこうでもないと患部をいじったところで、なかなか緩和されないのに、本治である肝経を整えるだけで、急激に痛みが緩和されていくのです。
あっちこっち回ってこられた患者様が「なんだか魔法にかけられたような・・・」と思わず口ずさまれることになるのです。

ヒトの治癒メカニズムとよく理解している東洋医学だから可能となる治療法だと思うのです。皆さん、東洋医学を怖がらずに是非試してみてください。

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