お盆に、アルツハイマーで大牟田市に入院している父を見舞いに行きました。ちょうど夏休みで遠方から小学生の甥っ子や姪っ子が来福していたので、息子と共に、おじいちゃんに顔を見せるのにちょうど良いなぁと思い段取りしました。私自身は2か月に1回はお見舞いに行くように決めているのですが、毎回、会う度に、数十年ぶりに再会したかのように感動して喜んでくれます。
今回も団体で訪れたにも関わらず、大声で「ワ~ッ」と叫んで「大きくなって…いくつになったね~?」と孫ではなく、45歳の娘の私に会えたことを涙します。周りの患者さんも喜んでくれて拍手してくれるほどです。
恥ずかしいやら嬉しいやらで、談話室にソソクサと足を運ばせて、お茶しながら孫を紹介します。
認知症は「天使の贈り物」とはよく言ったもので、本当にイヤだった過去のことを忘れるそうで、まるで子どものような表情でありのままの自分を生きているのだなぁと感心します。人や環境に気遣ったり合わせたりせず、「今、ここ…」を素直な欲求で生活をおくる姿は幸福そうで見ている方も美しいです。
父に尋ねてみました。「お父さん、死ぬのは怖くない?」と。ぶしつけな私の質問に「そんなこと考えたことない。考えないほうがいいよ。子どもによくない(親が死を考えることは子どもを不安にさせるという解釈をしました)…」と即答でした。その姿はアルツハイマーを患っている人ではなく、立派なお父さんでした。
まだまだ父に教えてもらえることがあることを知りました。それが嬉しくもあり、有難いという気持ちになりました。孫の顔を見せに行くという目的は、私自身が嬉しいお土産をもらい、名残惜しくお別れしてきたのでした。
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