風邪予防と民間療法

私のいつもの朝食は、手作りヨーグルトと八女茶です。
ところが最近、朝起きてしばらく寒気がするのです。
感じとして悪寒です。
若干、風邪気味なのですね。
当然に、漢方薬を飲めばいいのですが、それでは一般の方々のセルフケアとはなりません。
それで、「身近で簡単な、何かないか」と考えてみました。

一般に悪寒を取る代表例は、葛湯や生姜湯です。
漢方薬でしたら、葛根湯でしょうか?
葛根湯の原料が葛や生姜ですから、葛湯や生姜湯も体を温めることはよくわかりますね。
でも、葛湯や生姜湯では、朝食がてらにとは言えません。
そこで普段朝食を食べない私が感じたのは、「お味噌汁ならどうだろう」でした。

昨夜の残りのお味噌汁に、七味を入れて、温め直して食べてみました。
「うまい、あったまる〜ぅ」でした。
無事、悪寒が取れて、言うことなしです。
ところで、お味噌汁に入れてある具は、揚げ豆腐に少々のエリンギとえのき茸でした。

体をもっと温かくしたいと思えば、乾燥ショウガや白菜も良さそうですね。
唐辛子にも発汗作用があります。
ちょっとした工夫で、体が温まるのですね。
皆さんの工夫はなんですか?

漢方薬で風邪を乗り切る予防

寒くなってくると朝起きが辛くなってきます。
そして、寒くて着込んでいるのに、まだ背筋に寒気が走るのです。
悪寒です。
ある種の風邪の初期症状です。

漢方薬で治ったことのある方、漢方薬を飲んでもダメだった方、様々です。
はっきり言えることは、処方にあった漢方薬に出会った時は、よく効くのですが、そうでない時は、あまり効きません。
漢方薬は東洋医学ですから処方が大切です。

ちなみに悪寒があるときの漢方薬を手引書で探すと・・・
葛根湯、麻黄湯、桂枝湯、小柴胡湯、麻黄附子細辛湯・・・などがあります。
で、悪寒のキーワードで探して、どれでも試してみてもいいのかと言いますと、これがダメなんですね。処方(診断)が合わなくてはなりません。
漢方薬の中途半端な専門家に言わせると、「経験により」だそうです。
でも、現在は手引きが出回っているので、素人がそれを読んで、自分の症状に一番近いものを選んだものとあまり変わりはないでしょう。

元来、漢方薬は東洋医学のお薬です。
臓腑経絡や陰陽五行の法則により診断された時、ピッタリと症状を取ってくれます。
上記の悪寒の場合、どの経絡が冒されて風邪の症状を出しているか、診断されなくてはなりません。
風邪が膀胱経にある場合、葛根湯が有効です。
胃経の場合は麻黄湯で、三焦経は桂枝湯、脾経は麻黄附子細辛湯が合うのです。
だから、東洋医学では診断が大切で、症状で処方されても困ってしまいます。
症状は、似たようなものが多いのです。だから、区別のしようがありません。
漢方薬も、如何にしっかりとした診断が重要であるかは、他の治療と変わりはありません。

「たんぽぽのわたげ」や「たんぽぽ鍼灸院」では、患者様に漢方薬をお勧めするとき、しっかりとFT(フィンガーテスト)を使って診断をします。
だから、「おたくのお薬はよく効く」とお褒めを頂きます。
臓腑経絡と陰陽五行に則り診断する成果です。

ネッシン健康講座

本日は、ネッシン健康講座が開催されました。
6名の参加者で行いました。

簡単な東洋医学的考え方とネッシン療法の紹介の後、実技練習を始めました。
みなさん、たんぽぽ鍼灸院で実際のネッシンを使う様子をご存知なので、その効果などの疑問点は出てきませんでした。
でも、ネッシンのエッセンスである効果を出すための注意点は繰り返し指摘しました。
ご参加の皆さん、覚えていますか?

次回の健康講座は、11月23日(月)、勤労感謝の日の午後2時より2時間ほどです。
ご参加をご希望の方、早めのご予約をお願い致します。

また、11月1日(日)、午後2時より「ネッシン・ブラッシュアップ」です。
基礎講座の方には手足のライン取りの確認、上級者には基本動作の確認を致します。
多くのご参加をお待ちします。
詳しくは、事務局よりメールが参りますが、近日中にメールが届かない場合、事務局にご連絡ください。
以上、

たんぽぽ鍼灸院の本院が目指すもの

ちょっと長いので読みづらいでしょうが・・・・

いろんな統計がありまして、高齢化率というものがあります。
ある地域の年齢別構成比で、65歳以上の方たちがその地域の総人口に占める割合です。

高齢化率が20%を上回ると、人口構成がイビツになっていると言われています。
そして日本では2005年の統計で初めて20%を超えました。これは、国民の5人に1人は65歳以上であるということです。
先進国は一般に高齢化率が高いのですが、日本はそのうちでもずば抜けて高いのです。

また、国内の地域においてこの比率にバラツキが多く、都会では20%より低く、地方では高い傾向にあります。
そして、都会では人口が増え、地方では人口の減少が止まりません。

人口の増減には大きく二つの理由があります。
一つは自然増減で、赤ちゃんが生まれたり人が死んだりして生じる増減です。
もう一つは社会増減で、人々の移動により生じる増減です。職を求めて都市部へ移動したり、上級の学校へ通学のため移動したするからです。
そのため都市部では、若い人たちの社会増とそれに続く自然増が重なり人口が増えてゆくことになります。

九州では福岡都市圏の一極集中と言われ、他の地区の人口減少と高齢化率の上昇に対し、福岡市を含める都市圏では、人口が上昇しています。

ところが、福岡市内でも、小さな地域単位(サブローカル)で観ると、ここ30〜40年、大きく高齢化率をあげている地域があるのです。
たんぽぽ鍼灸院のある南区の長住地区は、なんと高齢化率40%を超えた地域なのです。地域の住民の5人の内2人が65歳以上の人々で構成されています。

長住地区は、昭和40年代始めに開発された当時は新興の住宅地で、若いカップルが盛んにやってきて、子供を産み、以来20〜30年間は上り坂で栄えた土地でした。
ところが、ここで育った子供たちはやがて巣立ち、残ったのは高齢となった親たちばかりとなりました。引っ越してきて若くて元気であった親たちはもう80代です。そしてその子供たちももうすぐ60代です。

でも、高齢者が多いからといって、元気のない街ではありません。
わたしたちたんぽぽ鍼灸院は、地域医療を目指しています。
東洋医学だからこそ高齢化社会にお役に立てると思うのです。
寝たきりの高齢者より元気な高齢者がいる社会がいきいきしています。
わたしたちは、今何が出来るかを常に考え実行に移したいと思っています。

敷居の高いハリ灸治療

辛くても、ハリ灸と言う言葉は知っていても、やはり鍼灸院に行くのは敷居の高いものです。
その原因は大きく二つです。

まず一つには、未知の東洋医学を利用するにはちょっと怖いと言うのが多くの方の気持ちです。東洋医学やハリ灸と言う言葉は聞いて知ってはいても、具体的な体験談も少ないし、古臭く、薄暗く、ウサン臭い印象が強いのです。ハリ灸院は、保険も利用できないので、儲かる商売ではありませんから、治療院の規模も大きくありません。ですからお金も掛かっていないので見た目の印象が悪く、オンボロでやはりちょっと怖いと言うのはよく分かります。
 わたしが直接受ける電話の向こうから、低いゆっくりとして、かつ、力のない声で「本当に痛くないですか?」とよく聞かれます。当然に、安心して下さいと答えるようにしています。私たちが行うはりきゅうは注射やメスより断然に痛くありません。

 もう一つには、単純に効果を疑っていらっしゃる方も多いのです。「治りますか?」と電話をされる方は良い方で、ほとんどの方が「現代医学でできない事が、東洋医学やハリ灸でできるはずがない」とお思いで、実際にはハリ灸はスルーです。
 この私がこの道に入る前ですからずいぶんと昔の事ですが、ある冬、病院でなかなか治らない病気に罹ったのです。そんな時、母が見かねて鍼灸院へ行こうと誘ってくれました。その誘いに「なんで俺が、ハリ灸なんか受けなければならないのか」と食ってかかったのです。結局、総合病院二箇所、外科二箇所を受診しましたがなかなか改善しませんでした。それで、母の言を受け入れて、近くの鍼灸院を訪ねました。確かに小汚いところでしたが、その効果の凄さにただただ驚くばかりでした。あれ程痛かったのにどんどん痛みは治まり、数日で腫れも引いていくのです。外見も立派な現代医学でお手上げで改善もしなかったものが、何でオンボロの鍼灸院で治っていくのだろうと兎に角不思議で偏見も完全に取れました。私が西洋医学ではなく東洋医学にのめり込むきっかけを作ってくれた貴重な体験です。だから皆さんに言えるのです、東洋医学も決して捨てたものではありませんよと。

自然治癒力を生かした達人の書いた名著

その道の達人        
 知識や情報を得る手段はいろいろです。
テレビやラジオ、新聞に雑誌、今ではインターネットなど数限りがありません。
その中で今回私が取り上げるのは本です。

 近頃、若い方たちの文字離れと言うのが指摘されています。
しかし、その分、若い方たちは別の手段で知識や情報を手に入れているのです。
また、文字離れは何も若い方たちの専売ではありません。
私など近頃では、目が不自由になり、本を読むのが面倒になってきているのも事実です。
だから、年寄りも文字離れが進んでいるのではないかと思いますよ。

 今回の達人の一冊は、アリゾナ大学医学部教授、アンドリュー・ワイル博士の「癒す心、治る力」です。
自然治癒力の権威で、現代の医療の欠点を鋭く分析し、批判されています。

しかし、この本を手にとって読むのは何度目でしょう。
そして毎回新鮮な情報を得るのです。

書く人が達人であれば、書いてあることは同じなのに、読み手の技量に合わせて得られる情報は深みを増すのですね。
不思議です。

だから同じ本を読むにしても、得る情報の質は皆、同じではないのですね。
発信する人の技量によってその情報の質が薄っぺらなものかどうかは、読み返すと良く判るのです。
また、過去の私が如何に見識の薄かったのか、毎回嫌という程、指摘されます。
反対に、少しずつではありますが、私も進歩しているのが確信されると、チョッとホッとするのですね。

ネットで電子書籍でも手にはいます。
若い方にも是非読んでいただきたい名

生理痛には、鎮痛剤より東洋医学

街角のドラッグストアでの売れ筋商品トップランクの常連を知っていますか? はい、ピンポ〜ン。鎮痛剤で〜す。
当然に、若い女性が購入層です。用いるのは、生理痛がメインで、随伴する腰痛や頭痛にもいいということでの購入です。化粧品や雑貨品を買う時、一緒に幾つも買っていくそうです。
良いのかなぁ、と思いますよね。

子宮を収縮させて経血を起こさせるために分泌されるプロスタグランジンは、同時に発痛物質でもあります。それで、ある程度の痛みがあるのが普通であると説明されています。
そうすると、その痛みの対策としては、生理痛の時には、鎮痛剤を用いることとなります。はたして、本当にそれでいいのですか。

一般的な言い方では、生理痛は腹部の痛みだけのようですが、厚労省のデータでは、腰痛も兼ねている方は全体の50%近くあり、全身の倦怠感を感じる方が36%以上、イライラ感を感じる方は35%以上もあるとのことです。ということは、毎回の生理の時に鎮痛剤を使っても、本当にこのような症状が一度に改善されているのでしょうか。これは大いに疑問です。

それなら、東洋医学的なアプローチで、身体の調整メカニズムを利用して健康な生理を迎えるようにすれば、一石二鳥どころか何鳥でも取れます。
生理中の異常な気の流れをFTで、察知して、ハリやお灸、ネッシン、漢方薬などで正常な状態に戻すのです。そうすると、わたしたちのカラダは、自動的に痛みを取ってくれます。
わたしたちの東洋医学的解釈では、本来、生理痛は無くて当然であり、生理痛は努力で改善するを実践しています。
実際に、多くの女性がたんぽぽ鍼灸院にやってきて、「薬を飲まずに痛みが止まるのを初めて経験した」と感動されます。

生理痛は治らないものだと諦めないでください。
確かに生理痛の原因の分類はいろいろあります。内膜症や腺筋症、筋腫、卵巣嚢腫などなど切りがないところです。
でも、東洋医学は原因を気にしていません。わたしたちが気にするのは、気の流れです。
気の流れを正常に戻すことが、われわれたんぽぽ鍼灸院の仕事なのです。その結果が、ひどい内膜症や腺筋症でも痛みが止まるのです。東洋医学やわれわれがすごいのではなく、ヒトのカラダが凄いのです。
生理痛に悩んでいるあなた、是非、東洋医学的治療を試してみてください。

あるツワリの治療

笑顔も無く、表情も無く、顔色も悪くただ黙って辛そうなお顔を見て三回目でした。お帰りの時、初めて笑顔を見せて下さいました。ただそれだけで、わたしたちの心が救われる思いです。

今日のお母さん、お腹のお子さんは二人目、上のお子さんの時もツワリが酷かったと言って、四日前にお越しになりました。
ただ、わたしの最初の見立てでは、単なるツワリではなく、熱中症と風邪に胃酸過多が重なったことが酷い症状の原因でした。だからツワリを緩和するのに、ほぼ4日間に3回の治療が必要となったのです。

でも、ご本人は単にツワリが酷くて苦しいのだと思っておられたようです。はじめわたしが「どこが、一番つらいですか」と聞くと、胸を押さえて「息ができません」とお応えになりました。また、「少しの水かカルピスしか喉を通らず、ここ何日か食事をしていません。みな吐いてしまいます」とのことでした。他の訴えは2回目、3回目と少しずつ変わりましたが、胸の辛さはずっと続きました。

そして今日の問診時、2回目の後の変化を聴くと、「少し食事が摂れました」との言葉です。何とか気持ち悪いなりに食事を取ったのでしょう。
今日は一通りネッシンとダイオードのツボ療法で、熱中症で痛めた「心」を治療し、残りの風邪症状を取ると、「辛さが取れて、とても軽くなりました」と声を掛けてこられました。それで「一度起き上がってみて、辛さが胸やお腹から消えていたら、今日は終わりましょう」と言うと、腰掛けて、「こんなに気分がいいのは久しぶりです」と笑顔で話されました。

今まで連続だったのを、数日空けて予約を入れるように初めてお願いして、今日の治療を終わりました。今晩は、きっと恐々でしょうが、ご飯を楽しく召し上がることでしょう。でも油や味の濃いものは控えるようにお願いしました。

ツワリの治療はいつもこうです。ただ、いつの時点で若いお母さんの笑顔が見れるのかは分かりません。1日でも早く笑顔を見たいとわたしたちは取り組んでいます。

妊婦さんとはり灸

たんぽぽが妊婦さんと強く関わりを持つようになったのはもう随分と昔の話です。12月のある日、一人の妊婦さんが「34週なのですが、逆子の治療をして頂けますか?」と飛び込みでいらっしゃいました。以前は年に何度か逆子の治療はしていました。それで、その時も「ハイ、やりますよ」と気軽に応えたものでした。当然に(と私は軽く思っていたのですが)1〜2度の治療で赤ちゃんは戻ってくれたのですが、意外なことに、若いお母さんが涙を泣がしてお礼にみえました。話をよく聞いてみると、お腹が張る上に羊水が足りず、帝王切開の日にちが決まっていたそうです。それで、「窮余の一策」で何かに書いてあった「逆子のお灸」をヒントに当院へお越しになった次第でした。
そして、通っていたE・マタニティークリニックのF先生が、戻りっこないはずの逆子が戻ったのをびっくりして、若いお母さんに問い質すと「鍼灸院で戻してもらった」との事、そして「逆子がはり灸で治るのならこんなリスクの無い治療はない」という事で、以来、そちらのお腹が固くて逆子のお母さん達をたんぽぽへ紹介して頂くようになったのです。この事は、その12月の件以来、F先生の所より逆子のお母さんの予約が殺到するようになったを不思議に思った私が、F先生をお尋ねして直接聞いたお話でした。
現在では、T先生のM助産院や幾つかのマタニティークリニックや助産師さんたちのご紹介で逆子のお母さんたちがいらっしゃいます。

でも私たちが関わるのは逆子の件だけではありません。妊婦さんやお産にまつわる事は何でも関わります。
つい先日の日曜日、朝一番の患者さんは、「予定日を三日越しても陣痛が来ない」というお母さん、今回は二人目で、前のお産の時は1週間早く生まれたそうです。それで、お腹を整える奇経治療した後、FTで三陰交のお灸の壮数を出してお灸です。一通り治療の後、「今晩ゆっくりともう一度お灸をして休んでください。出産のタイミングは赤ちゃんが決めます。もういいと赤ちゃんが思ったら、降りてきますよ。ウチでよくあるパターンは、治療をした今晩、陣痛が始まって、明日には終わっているという感じです」とお話して終わりました。
ナント、この通りに、その晩陣痛が来て、お産は30分の超安産だったそうです。今日、立ち会われた助産師の先生よりお聞きしたお話です。
やはりはり灸ってすごいな〜あ。

ツワリとはり灸治療

「嘔吐がひどいので・・・」と電話で訴えられてお越しのAさん、上のお子さんの時は外国にいて、8カ月までツワリがひどく大変な思いをしたそうで、今回は妊娠が分かって直ぐに日本へ帰って出産をしようと海外から戻ってみえたそうです。

私が、妊娠直後にたまたま国内にいてツワリが始まり英国に帰れなくなって治療した方のお話をしたら、「その方は日本にいてラッキーでしたね」でした。
おお、そう来たかと思いましたね。
でもこれは、ツワリのひどさを海外で体験された方の実感です。この方の場合、嘔吐が続き、胃や胸、喉が詰まり、唾液は溢れ、全身の倦怠感でぐったりとした毎日を過ごすのです。これがほぼ妊娠中ずっと続くのです。考えただけでもゾッとします。

今日は、ダイオードを使ったツボ療法とネッシンで治療をしていると、途中からAさんはウトウトされていました。「勝手に治療をしていますから、眠かったら寝てていいですよ」っと声かけしておきました。ツワリが始まり、あまり良い睡眠が取れていないのでしょうね。
後半で「どこか気になるところはありませんか?」と声をかけると、「今はどこもありません。スッキリしています」とお応えになりました。それで今日は、ここで治療を終わりました。

この方の治療は、ツワリが一息つくまでほぼ連続で行います。ツワリが良くなったその後は、出産まで1カ月に1回の割で体調のケアをして行きます。これがたんぽぽ流のお産のケアです。
そしてツワリは東洋医学で管理ができることをもっと広げたいを思います。