健康は、自分で管理するもの

東洋医学はもっぱらですが、一般に医学とは、ヒトの持つ自然治癒力を最大限に利用して健康の維持・増進と病気や怪我からの回復を目指すための知識と技術です。

私は患者さんに、「私たちには、病気や怪我を治すことはできません」と伝えます。
そうすると、皆さん、はじめはちょっと変な顔をなされます。
私は、続けて、「私たちがここで行う施術は、皆さんの自然治癒力や回復力を、「気」の調整を行うことで最大限に引き出すことをします。そうすると、患者さんたちのカラダが自分で治してゆくのです」と申し上げます。
病気や怪我を治すのは、自分自身の治癒力や回復力なのです。

そうなんです、私たちは皆さん方の体を診断するときの一番の関心事は、「気」の流れの異常を感知し、「どうやっって正常に戻そうか」と東洋医学の理論を使って考えるのです。
ということは、私たちは大したことをやっていないということがわかります。
東洋医学そのものがとてもマイナーな医学なので、勉強した人も少なく、一般の方には分かりにくいですね。

私の理想を申し上げれば・・・
ある程度の健康の維持と増進、つまり健康管理、は家庭で行うことがいいのです。
こういうと、現在の医療機関の首を自分で絞めるようなものですが、過去ではそうだったのです。
先人の知恵が生きていて、代々おばーちゃんから娘、孫に伝わったのですね。
ご家庭でのお医者さまは、おばーちゃんか主婦でした。
彼女たちが主人から子供達の健康を管理したのです。
簡単にはお医者さまにはかかってはいなかったのです。

今月(十月)下旬25日、水曜日の午後2時、第2回先人の知恵セミナー(家庭の健康)をたんぽぽ鍼灸院でやろうと思っています。
ご家庭で誰かが家族の健康を管理しなくてなりません。
健康のためのお灸や指圧、アロマや漢方薬の使い方などを勉強します。
便秘や下痢、肩こりに風邪などの簡単な対処法を勉強しましょう。
ご参加希望の方は、たんぽぽ鍼灸へお電話ください。(092−561−8014)
参加費は、500円を予定してます。(お茶とお菓子付き)
お子様づれは歓迎します。
1時間半ほど、楽しくお勉強しましょう。

妊娠中のトラブルとお灸の効果

たんぽぽ鍼灸院に駆け込んで来られる妊婦さんたちのトラブルは、本当にバラィェティに富んでいます。

ツワリや逆子は一般的ですが、お腹の張りと稽留流産の心配や妊娠時糖尿病に妊娠腎は危険なトラブルです。
場合によっては、妊娠をあきらめなくてはなりません。
また、妊娠中に普通でいられない腰痛や恥骨痛、神経痛、風邪、頭痛に腹痛や便秘などにはお薬やシップなどが使えません。赤ちゃんに対する作用が心配だからです。うっかり腰に湿布などは要注意です。

あまりひどいと、病院でお薬を処方さ荒れますが、あまり勧められませんよね。
妊娠前から胃腸が弱い方は、ちょうど臨月前ぐらいに、「二度目のツワリ」のような症状が出ます。これも大変です。
もともと、妊娠中に胃腸が悪くても「ガマンガマン」とあきらめていいる方が多いのですね。

そこで、副作用のない東洋医学、お灸をお勧めします。
当院では、来院時にツボを取りますので、ご自宅では安産を目的に、赤ちゃんのためとご自身のためのお灸を指導します。
意外と無頓着なお母さんの冷えは、安胎にも安産にも大敵です。
お灸で妊娠中のケアを始めてみてはいかがでしょう。

たんぽぽの妊娠時のケアは以下の通りです:
・安産には妊娠初期は安定期に入るまで、週一回。
・安定期には、ほぼ月一回。
・臨月には、週一回。
背術費は便利な割引プランもあります。
ご相談ください。

肩の痛みの原因が胃腸障害である場合

四十肩や五十肩が原因で肩が痛み、夜も寝られないという訴えがこの頃多いのです。
訴える方に性差はありません。男性も女性も多いですね。

一般に四十肩や五十肩は「肩関節周囲炎」といって、関節部に炎症性が起こります。
急性期には肩が腫れて全く可動域がなくなります。ですので痛みで動かすことができません。

ところが、近頃おみえの患者様たちも、ある一定の方向への動きが痛みで制限されます。
しかし、本来の四十肩などに比べ、結構動くのです。
理由は、痛みの出る場所が関節部でないことのようです。
痛みは肩のラインや腕のラインに沿って出て来ます。まるで神経痛のようです。

それで原因を探っていくと、胃腸の障害と関係しているようなのです。
こういった場合、胃腸の障害の程度も結構重篤で、胃腸管内部に潰瘍ができているようです。
治療方針は、肩の筋肉の痛みを軽減するとともに、胃腸の治療も並行することです。
治療の効果は、肩の痛みの軽減ですが、「昨日はぐっすりと眠れました」というお答えが目安になります。

フワフワとする動揺性のめまいが東洋医学(はり灸)で治る

本日、「めまい」が主訴の患者様がお見えになりました。
いろんなめまいの患者様がおみえになりますが、この方ははり灸で治りにくいとされる「目を開けるとフワフワとする感じがする」という動揺性のめまいです。また、具合の悪さや吐き気をも訴えられ、脳内部の異常が疑われます。

一般に動揺性のめまいは:「フワフワと雲の上を歩いているようなふらつきを起こすめまい」と表されます。また
現代医学的な原因は:発生場所は、脳幹や小脳というところにあり、脳幹は、脳の一番下にある平衡感覚をコントロールするところ、小脳は大脳の後ろにあり、やはり平衡感覚などをコントロールしているところ
とあります。

よくよく患者様を観察すると、督脈上の乱れがあり、また右の目と耳が異常にFTがスティッキーになります。
それで、それを取る経絡を見ると心包経に出ますので、腕の心包帯を調整しました。
しかし、症状が軽くはなるのですが、消えません。それで、背中の右の厥陰兪に皮内鍼をすると・・・
「先生が背中に刺激をした途端、パッと良くなりました」ということでした。

これは、どうも今まで督脈を調整し、心包帯を調整して、全体を整えたから最後の厥陰兪の治療が効いたと思います。それと、脳幹の異常の場合、督脈や華佗穴、膀胱経が有効のようですね。

秋と自律神経

まだ暑いとはいえ、暦の上では少し前からすでに秋になっているんですよね…。

季節の過ごし方が記してある「四気調神大論」によると、
秋は「収斂(しゅうれん)」の季節。
万物が成熟して収穫される。
徐々に空から強い風が吹き、大地には粛清とした気配が漂う。

秋の養生法:鶏と同じように早寝早起きするべきである。
つまり心を安らかにし、陽気をひそめて、天地の粛殺した気の影響を和らげる。
収斂とは「縮む・引き締まる」といった意味があります。
粛殺とは、厳しい秋気が草木を枯らすことを意味します。
気温が下がり、体が寒さにより徐々に引き締まってくる時期なので、急激な体の変化に対応するため気の巡りをゆっくりにしたほうが良いという風なイメージをしています。
この秋の過ごし方に背き、心をおおらかにできないと秋によく活動する肺気が傷むと言われています。

秋は夏の副交感神経優位の季節から、徐々に冬の交感神経優位の季節に切り替わる時期のため、どうしても自律神経自体のバランスを崩しやすくなってしまいます。
血液は神経の働きと大きな関係があり、良好な血流は神経の働きを助けてくれます。血液が行かなくなると神経が麻痺して痛みなどを感じなくなったり、感覚がなくなりますよね。それと血液を含めた意味で大切なのが「基礎体力」です。
ストレスの原因などは急になくすことはできませんが、病気に負けない体づくりは誰にでも、いつからでもできます。ぜひ涼しくなったら軽い運動などをされてみてくだい☆

鍼灸師 宇田千夏

夏バテと漢方薬

夏バテといってもいろんな症状があります。
でも一般には、食欲が落ちて元気がなくなることを言いますね。
暑さから睡眠の時間や質が落ちることに原因があるようです。

随分と前のことだと、暑いので皆さん滝のような汗をかき、喉が乾き、その分水を飲んで補うんです。
しかし、近頃はエアコンがあって、滝のような汗をかくことがなくなりましたね。
室内にいる限り、温度も適温であり室内も乾燥していますので、肌もさらっとしています。
それで、喉の渇きをさほど感じないのです。

ところが、やはりそれでも私たちは汗をかくのです。
起きているうちに汗をかけば当然に水分を補給するのですが、問題は、睡眠中です。
寝てると睡眠中の発汗に気がつかないものです。
ましてや朝起きた時に汗をたくさんかいたわけでもないので、本人も喉の渇きを感じない。
しかし、軽い脱水は始まっているのです。
そして、この状態が数日続くと、脱水症状が出てきます。
それが強い疲労感や倦怠感、睡眠不足、背中や肩の筋肉痛として感じるのです。

こんな時、漢方薬が重宝します。
「肝の気」の異常があれば柴胡桂枝湯がよく合います。
「胆の気」の異常があれば、小柴胡湯や半夏瀉心湯がいいですね。
「心の気」の異常があれば、半夏厚朴湯は体を軽くしてくれます。
「大腸の気」が乱れていれば、補中益気湯は食欲を増します。
「膀胱の気」が乱れている場合は、六君子湯が合います。

ちょっと専門的ですが、試してみてください。

便秘と食物繊維

主訴以外に訴える症状で女性は便秘でもお困りの方が多いように感じます。
先日も便秘でお困りとの話題に。「繊維質のものもとるようにしているんですよごぼうやお芋に食物繊維が多いと聞いたので…」とのことでした。
食事にも気を使っているというのに改善しないのはなぜでしょうか?
実は、食物繊維にふたつの種類(水溶性食物繊維と不溶性食物繊維)があります。
その役割がそれぞれことなる食物繊維ですが、イメージされることが多いのは不溶性食物繊維が大半を占めます。
それぞれの特性を知り、悩みに合わせて使い分けましょう。

◎水溶性食物繊維…
糖質の消化・吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぐ効果、コレステロールなどの余分な脂質を吸着し排出するなど、体への吸収を抑制する作用があります。
食材例)にんにく、納豆、なめこ、春菊、にんじん、とうがらし、切り干し大根、らっきょう、生のこんにゃく芋など

◎不溶性食物繊維…
水に溶けない食物繊維で、胃や腸で水分を吸収し大きく膨らみ、便のかさ増しや、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促進します。体にとって有毒な物質を排泄するデトックス効果もあります。
食材例)おから、枝豆、さつまいも、板こんにゃく、ごぼう、きのこ類など

どの栄養にも言えることなのですが、しっかりふたつの食物繊維をバランスよく食べることが重要なのです。

色々ご指導させていただいて、結果を聞くのが楽しみです。
もし便秘でお悩みなら実際に試しながら食物繊維を摂られてはいかがでしょうか?

宇田 千夏

筋肉や関節を解すお灸の効果

朝の起きがけに体が硬く、前屈をすると身体中に痛みが出る方いませんか?
ズボンや靴下を履く時、足や腰が痛くて足先にとどかず、履くのに苦労をする方いませんか?
長時間の運転の後、背中が痛くて背筋が伸びない方いませんか?

実はある部分が硬くなってこの状態を引き起こしているのです。
運動不足などが原因で起こるのですが、だからと言って急に運動しても治りません。
ある部分の血行障害を簡単なお灸で刺激してあげると驚くように治ります。
そうすると運動で維持できるようになります。

今では簡単な”せんねんきゅう”という家庭用のお灸が普及していますが、残念ながらこれではうまくいきません。
従来通りの”ヒネリ”のお灸で、なおかつ本当に軽い”八分灸”がいいのです。
軽く心地良い熱さが、硬く血行の悪い関節部に響きます。

どこにお灸をするかは・・・秘密です。
一度、体験してみてください。

ひどい夏バテから脱出する方法:推理小説を読むように考えましょう。

今日お見えになった患者様、明日に大事なお仕事を控え体を整えたいとのご希望でした。
具体的にどうあるのかお聞きすると、「頭がカーッとして動悸がする」とおっしゃいます。

FTで体を診断すると確かに胸や頭に異常サインが出ます。しかし、そのほかに本人の訴え以外、肝臓付近や腹部にも異常サインが出ているのです。

そしてそれらのサインの陰陽分析をすると左の胃部や大腸部は実証であり膵臓部や心臓部からは虚証の反応が出ます。熱中症の走りです。体の水分が不足しています。血液中の水分が不足し、濃くなった血液を心臓が循環させるぶん心臓の負担が増える構図のなっています。そのため、心臓疲労が起きているようです。症状として強い全身疲労や倦怠感が出ます。

また右の肝臓・胆のう部や僧帽筋の上縁部からは実証の反応が検知されました。暑さによるストレスから肝機能の低下による血液循環不足が生じ、血液のうっ滞を生じ、肝虚胆実となっています。肩や背中、腰や太もも、ふくらはぎの筋肉がパンパンに張って、動かすと痛みさえ覚えます。

これらのことは別々に発生したのではありません。暑さという唯一のせいで体のいろんなところにいろんな影響が出ているのです。だから体の様々な症状も突き詰めれば、一本の「気」の巡りを改善してやれば、自己調整が進むはずです。

さあ、東洋医学を専攻する皆さん、どうしますか?
陰陽五行理論と臓腑経絡理論を駆使して、効果的でシンプルは治療法の謎解きです。

[解説] ポイントは右の実証と左の虚証を治療するのです。
右は肝虚胆実で左は脾虚・胃大腸の実なのです。

そうです。結論は右の脾経の瀉法を使います。そうすると左の脾の補法となり、右は脾の相剋により「肝気」の補と「胆気」の瀉となります。

では、実際の治療ではどうなるのでしょう。
効果を高めるため、左の腕の三焦経の脾の帯状反応部に左脾の補鍼を置きます。さらに同じ三焦経の大腸帯と胃帯に瀉鍼を行いました。
右は、肝機能改善に有名な深谷灸法の「足の三点(三陰交・漏谷・地機)」を使います。つまり、右足の脾経を肝機能改善に使う名穴です。肝機能改善に大変に有効ですのですので、皆さんも是非に使ってみてください。
終わりに、先ほど取穴したツボにお灸をします。また、背中のスッキリ感を出すために、督脈のL7より上に2壮のお灸をしました。身柱だけは7〜9壮しました。ここは疲労回復にいいツボなのです。
効果は抜群、頭もスッキリして動悸も無くなりました。さらに体の疲労感が取れて軽くなったそうです。明日の大切なお仕事も順調に行けばいいですね。

さて、一般の皆さん、夏バテ対策のツボ、わかりましたか?
両足のふくらはぎ、内側にあるツボです。
内くるぶしより4〜5センチ上あたりにとても痛いところがあります。それがこの場合の三陰交です。そしてさらに4〜5センチ上にもやはりとても痛いツボがあります。漏谷と言います。またさらに4〜5センチ上に地機があります。やはりとても痛いツボです。

両方のふくらはぎをしっかりと指圧します。
最初の日は、ギュッと抑えるととても痛いです。しっかり指圧します。
次の日は、軽く表面を触れるだけで、痛みます。敏感になっています。
さらに毎日、指圧します。そうするとだんだん痛く無くなってきます。痛いところを探すようになってくると、いよいよ完成です。このころには体調を大変に良くなっていることでしょう。

耳つぼ療法

今月からレディースデイの新メニューとして耳つぼ療法が仲間入りしました!

耳つぼとは???と疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますが、耳には迷走神経の一部が分布しており、これは内臓を制御しているため、耳の特定の区域や反応点を刺激することで全身のさまざまな器官が反応します。
その効果はアレルギー症状の緩和や禁煙、ダイエットなど、多岐にわたります。
食欲を抑えてくれるツボや水分代謝を促してくれるツボ、さらには精神を落ち着けてくれるツボなど多くのツボがあります。
そういったツボを使用し、体質改善をしながら効果的かつ健康的に痩せることができるというので「耳つぼダイエット」はよく知られるようになりました。
また、「痩せる」という目的以外にも症状や悩みに合わせてツボを組み合わせてオーダーメイドな使い方ができます。

おすすめは[神門]です。精神を安定させてくれるのでイライラやストレスを緩和してくれます。
[内分泌]はホルモンの調整をしてくれます。
[眼]や[扁桃腺]などカラダの名前がついているものが多く、こういったツボはその器官に作用してくれます。

耳つぼはほかにもたくさんあります。
実際に押す場合には綿棒や爪楊枝のとがってない方などで優しく10〜20回ほど刺激してあげてください。
食前の10~20分前に刺激してあげると効果的です☆

鍼灸師 宇田千夏